劇場公開日 1994年7月16日

「高畑さんとタヌキと超能力」平成狸合戦ぽんぽこ Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高畑さんとタヌキと超能力

2025年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

癒される

 かつて『エスパー魔美』(作:藤子不二雄)という作品が日本に存在していた。天才的頭脳の持ち主である高畑さん(高畑和夫)と仲の良い女の子、主人公の魔美が、狸のような姿の犬コンポコと出会ったことが超能力を持つトリガーとなった。
 様々な妖怪が存在していたという話も有名で、詳細はわからないが妖怪大戦争が本当にあったと私は思っている。

 今作は高畑さん(高畑 勲)が監督。伝統的変化術という超能力を持つ狸たちが、妖怪大作戦をする話。動物やお化けが画面いっぱいに動き回る。古い絵に感じるがクオリティが高い。そして何よりも、ナレーションを含め、会話が知的で面白いのだ。

 本来、義務教育で外国語を勉強する必要はなく、日本語だけでじゅうぶんなのだが、GHQによって、日本人の能力を衰退させられてきた、と思う。
 言葉の数だけ概念があり、動物や植物など生物についても知らなくてはいけないことが沢山あり、野蛮な侵略者に好き放題させない方法も学ぶ必要がある。

 自分たちの居場所を奪還しようとする狸たちに、今の日本が重なる。

Don-chan