不良少年(1961)

劇場公開日:

解説

手記「とべない翼」にもとづき、非行少年のシャバでの生活と少年院での姿を、羽仁進が脚本・監督した記録映画的手法による劇映画。撮影したのは金宇満司。

1961年製作/89分/日本
原題または英題:Bad Boys
配給:新東宝
劇場公開日:1961年3月29日

ストーリー

銀座を走る一台の護送車。東京地検の一室。浅井の二週間にわたるネリカン生活が始まった。思いはシャバに帰る。浅草は生きやすかった。安い飯や遊び、からかう女にもこと欠かない。彼は親分や兄貴分の下につけない性分だった。ある日の夕方、不良仲間と三人で真珠店を襲った。上品なウインドーとお高い店員が虫がすかなかったからだ。二十万円の強盗を働いた。浅井は明治少年院に収容された。海に近い男性的な風物にとり囲まれた岬の一角にある。やがてクリーニング科に編入された。ここにはやくざ的組織ができており、空手をやる班長江上と下に中幹部がいる。浅井にはことごとにアタマにきた。浅井にみせしめの私刑が加えられた。浅井は仕返ししてやると心に誓った。数日後、班長等が反則のパンを自分たちだけで噛っているのを種に、浅井は喧嘩を売って出た。まもなく、浅井は教官会議で木工科に編入された。班長の藤川、副リーダー格の木下はともに不良の苦労が身にしみて温かささえあった。出張と語りあった。彼はシャバ時代藤川の仲間で、四人組で恐喝行脚を続けていた。毎日善良なサラリーマンやアルバイト学生を襲った。回想する出張は被害者のことをくわしく話した。後味の悪さのためだろう。浅井の耳にこびりついた。運動会は楽しい思い出となった。浅井に退院の日がきた。一年働いた金三百二十円を受取って門を出た。

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映画レビュー

3.0実験的手法

2018年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 素人ばかりを集めて、本人に台詞を書かせたというドキュメンタリータッチの実験的な映画である。

 クリーニング科に回された浅井だったが、そこのボスにケンカを売ってしまい、今度は木工科に回される。現代におけるイジメの構図が少年院の中にあったんだな。刑務官というのも、科ごとに全く違う。目の届かないというか、全然見てないぞ。そんなこんなで、木工科では充実した日々を送る浅井少年であった。

 やはりアフレコが多すぎることや台詞が聞き取れないことにイライラさせられる。キネ旬での高すぎるほどの評価。黒澤明『用心棒』を差し置いての堂々1位なのだ。簡単に比較することはできないが、羽仁進の実験的手法が功を奏しただけで、それほど素晴らしい作品には思えない。

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kossy