復活の日のレビュー・感想・評価
全63件中、61~63件目を表示
文明が滅びても、そこには愛が残った。
Ultra HD Blu-rayで3回目の鑑賞。
原作は未読です。
波に乗っていた角川映画が、原作・小松左京、監督・深作欣二、撮影・木村大作と云う強力布陣と国際色豊かなキャストを交え、日本映画初の南極ロケや本物の潜水艦での撮影など世界中で大ロケーションを敢行してつくり上げたSF超大作。
人間と云う生き物の底知れぬ愚かさと命ある限り生き抜こうとする強さが、文明崩壊と云う計り知れない絶望と、復活への希望と共に描かれていて、心を打たれました。
東西冷戦が背景にあるとは言え、人類滅亡の危機を前にしても尚、国同士の政治的駆け引きが止むことは無く、結果的に自らトドメを刺す結果となってしまうのが皮肉でした。
細菌兵器の猛威に加え、核爆弾による放射能汚染のダメージを被り、究極の破滅が訪れた様は、「悲しい」と云う言葉すら空虚に聞こえてしまうくらいの絶望だな、と…
しかし、文明は滅びても愛は残った。吉住(草刈正雄)が荒野の先に見出したのは、再生の希望であり、人類の逞しさを感じさせてくれるもので、叙事詩的感動に包まれました。
※追記(2020/03/13)
新型コロナウイルス流行で「コンテイジョン」が話題になっていますが、予見的な意味で言えば本作も負けていない。
パンデミックにより世界中に患者が溢れ、医療体制が完全に崩壊し、民衆が暴動に走って治安当局と衝突したり…
現実はそこまで発展していませんが、そうならない様に、関係機関には慎重かつ緻密な対応をお願いしたいです。
※以降の鑑賞記録
2019/11/11:Ultra HD Blu-ray
※修正(2023/03/07)
草刈正雄のイケメンっぷり
生きることへの絶望感と疲労感
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
世界が滅びていく場面への描き方が直接的ではなくて受ける印象が弱いし、ホワイトハウス内でのやりとりはかなりしょぼく、演出に迫力があまりない。物語の設定や整合性にも変なところが多いし、欠点はそれなりにたくさんある。だがこれだけ壮大な話を描くのだから、それは致し方が無いところ。
それと物語上では南極基地をはじめとして世界が描かれているので、主人公や特定の人物が目立つということがない。草刈正雄は悪くないのだが、登場人物上でこの人という軸になる存在が薄い。これも物語全体の印象を弱くしている。
ただその中で気に入ったのは、生き残った人々の絶望感と疲労感である。殆どの人々が死んでいく中で、家族も仲間も社会も文明も科学も土地も失い、情報もなく僻地に孤立したまま自分が生きていることが怖い。全く将来が見通せなくて世界がどうやら滅びてしまったらしくて生きることへの希望が見いだせない。
その中で自分だったらどうしようかと考えるが、ここまで酷いともう生きていたくないのでさっさと死んでしまいたい。
全63件中、61~63件目を表示


