「文明が滅びても、そこには愛が残った。」復活の日 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
文明が滅びても、そこには愛が残った。
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Ultra HD Blu-rayで3回目の鑑賞。
原作は未読です。
波に乗っていた角川映画が、原作・小松左京、監督・深作欣二、撮影・木村大作と云う強力布陣と国際色豊かなキャストを交え、日本映画初の南極ロケや本物の潜水艦での撮影など世界中で大ロケーションを敢行してつくり上げたSF超大作。
人間と云う生き物の底知れぬ愚かさと命ある限り生き抜こうとする強さが、文明崩壊と云う計り知れない絶望と、復活への希望と共に描かれていて、心を打たれました。
東西冷戦が背景にあるとは言え、人類滅亡の危機を前にしても尚、国同士の政治的駆け引きが止むことは無く、結果的に自らトドメを刺す結果となってしまうのが皮肉でした。
細菌兵器の猛威に加え、核爆弾による放射能汚染のダメージを被り、究極の破滅が訪れた様は、「悲しい」と云う言葉すら空虚に聞こえてしまうくらいの絶望だな、と…
しかし、文明は滅びても愛は残った。吉住(草刈正雄)が荒野の先に見出したのは、再生の希望であり、人類の逞しさを感じさせてくれるもので、叙事詩的感動に包まれました。
※追記(2020/03/13)
新型コロナウイルス流行で「コンテイジョン」が話題になっていますが、予見的な意味で言えば本作も負けていない。
パンデミックにより世界中に患者が溢れ、医療体制が完全に崩壊し、民衆が暴動に走って治安当局と衝突したり…
現実はそこまで発展していませんが、そうならない様に、関係機関には慎重かつ緻密な対応をお願いしたいです。
※以降の鑑賞記録
2019/11/11:Ultra HD Blu-ray
※修正(2023/03/07)
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