「主人公麦子(演:富田靖子氏)の眼差しは素晴らしく、確実に女優へステップアップした作品でしたね。」BU・SU 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公麦子(演:富田靖子氏)の眼差しは素晴らしく、確実に女優へステップアップした作品でしたね。
目黒シネマさんにて今年で11回目になる「~人を観るよろこび 第11回 市川準 監督特集~」開催(2024年11月24日~11月30日)。本日2本目は富田靖子氏主演『BU・SU』(1987)。
『BU・SU』(1987)
「禁煙パイポ」「金鳥タンスにゴン」「エバラ焼肉のたれ」「ヤクルトタフマン」など大ヒットCMを手掛けた市川準監督の監督デビュー作。原作は内館牧子氏、主演は富田靖子氏。『アイコ十六歳』(1983)や大林宣彦監督の名作『さびしんぼう』(1985)、『姉妹坂』(1985)の明朗快活な役柄のイメージ、主題歌の原由子氏『あじさいのうた』も明るくポップなのでキラキラした青春アイドル映画と思いきや一転、複雑な家庭環境からひねくれた根暗で陰気な少女役、ラストまでほとんど笑わず、公開当時驚愕した記憶がありますね。
久々に見直して観ると、文化祭で歌舞伎の演目「八百屋お七」に挑戦することになり、今までの鬱屈した生活から脱して、顔を上げて真剣に取り組む主人公麦子(演:富田靖子氏)の眼差しは素晴らしく、確実に女優へステップアップした作品でしたね。
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