劇場公開日 1991年8月24日

「すゝめられない映画」福沢諭吉 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5すゝめられない映画

2017年3月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

寝られる

学問のすゝめ、天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず、慶應義塾の創設者、そして一万円札の人…。
福沢諭吉の半生を描いた1991年の作品。

Wikipediaを開いただけでも膨大な情報量、その偉業を描いた堅苦しい伝記映画ではなく、福沢塾(後の慶應義塾の礎)を開いた若き諭吉と門下生の交流をメインとした青春群像劇風。
時は幕末、日本の大変革期、時代の荒波やうねりを、学問を通じて訴える。
当時の歴史的事件を背景にし、少々小難しい箇所もあるが、比較的すんなり見れる。

が、映画としては成功作とは言い難い。
仲村トオル演じる門下生と南野陽子演じる遊女とのメロドラマチックな色恋はチープ。(演技は下手だけどやたらと艶かしい若き南野陽子)
そういうエピソードや戦のシーンは描かれるのに、諭吉の渡米時のエピソードは丸々ナレで済ますというお粗末な作り。
福沢諭吉を題材にしているので学問の大事さは端から分かり、結局何を描きたかったのか見応えある深みにも面白味にも欠けた。

柴田恭兵は誠実な好演。
名のあるスタッフやキャストは揃ったものの…
もう少し内容を見直す学問をすゝめたい。

近大