風林火山のレビュー・感想・評価
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本格中の本格、正統派中の正統派 本物の時代劇を堪能できます
風林火山
1969年 三船プロダクション製作、東宝配給シネマスコープカラー作品
稲垣浩監督
3時間弱の超大作ですが、全くダレることなくあっという間に見終える面白さ
戦国時代の歴史に疎くともお話についていけます
浪人の山本勘助が信玄に仕えて死ぬまでが描かれます
クライマックスはもちろん川中島の戦い、武田信玄と上杉謙信の一騎打ちもしっかりあります
戦いだけでもなく諏訪由布姫と勘助のエピソードが縦糸になっておりさすが橋本忍の脚本です
本格中の本格、正統派中の正統派
本物の時代劇を堪能できます
しかもそれを明るくシャープな画面、広い画角、発色の良い色彩、明瞭な音声で
主人公は武田信玄と思いきや、その軍師の山本勘助で、それを三船敏郎が演じます
武田信玄は中村錦之助、
上杉謙信を石原裕次郎がそれぞれ演じます
セットも衣装も豪華チープさは微塵もありません
時代劇映画の最高峰のひとつだとおもいます
本作に肩を並べるか上回る作品は1980年の影武者か1985年の乱、ぐらいでしょう
錦之助×三船&裕次郎
錦之助と三船の、夢の様な2ショットがとにかく嬉しい。(クライマックスは錦之助と裕次郎の2ショットが見られる)
三船=勘助と錦之助=晴信よる2人の関係は、プラスとマイナスが混ざり合い強固な力となって行く。
“遙か彼方の夢”を見る=勘助と、“目の前にある物”を欲する=晴信。そして、父親の敵でありながら錦之助の妻となる佐久間良子の悔しさ。
しかし勝頼を身ごもった事で、次第に気持ちに変化が生まれて行く。
その佐久間を密かに想いながらも、立場上どうにもならない歯がゆさを“梅の樹”に託す三船。それを薄々感じている佐久間。
その辺りの細かな心理描写の脚本は、流石橋本忍といったどころでした。
合戦場面ではエキストラの動きが鈍重な為に、肝心な合戦シーンの緊張感が今ひとつ感じられ無いのが悔やまれるところです。
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