冷飯とおさんとちゃん
劇場公開日:1965年4月10日
解説
山本周五郎原作“ひやめし物語”“おさん”“ちゃん”を「飢餓海峡」の鈴木尚之が脚色「鮫」の田坂具隆が監督した文芸オムニバスドラマ。撮影もコンビの飯村雅彦。
1965年製作/177分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年4月10日
ストーリー
〔第一話「冷飯」〕下級武士の四男坊に生れた柴山大四郎は上役に取りいって出世を夢みる同僚たちと違って、冷飯に甘んじて古書集めに狂奔する明朗な若侍であった。そんな大四郎にも美しい初恋が芽生えた。ある日ふとすれちがった清楚な武家娘深見ぬいに一目惚れしたのだ。母の心配をよそに、二人の気持は日毎に高まっていった。折も折、大四郎の集めた古書が主君の目にとまり、冷飯の四男坊は頼ってもない出世の糸口をつかんだ。そして、素直な大四郎を見込んだ中老は、柴山家に娘婿にと話しをもちこんだ。この話に大喜びの母や兄の気持をよそに大四郎は、好きなぬいを嫁にと決心をしていた。晴ればれとした大四郎、ぬいの新婚家庭を祝福するかのように夕焼が美しかった。 〔第二話「おさん」〕大工の参太はあまりにも感覚的な女房おさんの異常なセックスから逃れるため江戸を離れて上方に出た。だが参太は、おさんを忘れることができず、いつしか江戸への道を辿っていた。途中参太は箱根の宿で、女中をしているおふさという奇妙な女に会い、おふさと一緒に旅をすることになった。おふさと寝ている時も、参太の脳裏をかすめるのはおさんの姿態だった。江戸に入ると参太はおさんの行方を探して歩いたが、参太が江戸を去ったあとのおさんは、男から男を渡り歩いて、ならず者の手にかかり殺されていだ。おさんの眠る無縁墓の前で、参太は一人おさんに語りかけていた。参太とおふさが去った墓に静かに雨がふり注いでいた。 〔第三話「ちゃん」〕五桐火鉢を作らせてはならぶ者のいない名人重吉は、名人気質に固執するあまり時代の流れに取り残され、深酒をあおっては、気をまぎらわせていたが、女房お直と四人の子供をかかえ、貧乏のどん底にあった。だが、無気力な日を送る重吉を、暖かく迎える家族、幼な馴染みの呑み屋の女将お蝶にかこまれ、重吉は幸福であった。ある晩、重吉が連れて来た喜助が、コソ泥であったことから、重吉はいたたまれず家出を決意した。だが「ちゃんが出るなら、皆一緒に出ようという」女房や子供の言葉に、重吉は心機一転火鉢作りに精を出した。火鉢をおさめた婦り、酔っぱらった重吉の姿を、寒月がてらしていた。
スタッフ・キャスト
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柴山大四郎萬屋錦之介
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椙女木暮実千代
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柴山又左衛門原田甲子郎
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志乃岡田千代
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柴山粂之助中村錦司
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中村又三郎小沢昭一
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中井岡三郎花沢徳衛
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深見ぬい入江若葉
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深見新蔵唐沢民賢
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下女山乃美七子
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中川八郎兵衛千秋実
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梶不二和子
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平松吉之助河原崎長一郎
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屑屋浜村純
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古道具屋の親父藤原釜足
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河重の女将東龍子
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河重の女中宮園純子
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中川家の家士前川良三
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中川家の使者源八郎
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若殿五十嵐義弘
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家老矢奈木邦二郎
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参太萬屋錦之介
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おさん三田佳子
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おふさ新珠三千代
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伊三安中滋
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辰造佐藤慶
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作次大坂志郎
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作次の女房富永佳代子
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小助店のおかみ赤木春恵
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棗店のおかみ中畑道子
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乃里屋の番頭市川裕二
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長屋の男畑中伶一
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重吉萬屋錦之介
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お直森光子
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良吉伊藤敏孝
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おつぎ岡田由紀子
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亀吉君塚秀修
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お芳藤山直子
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お蝶渡辺美佐子
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新助北村和夫
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喜助三木のり平
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源平坂本武
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おくに都賀静子
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長屋のおかみ高橋漣
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酒屋の親父中村時之介
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お玉塩野崎貞子