劇場公開日 1995年5月27日

「【”瞑目”今作は第二次世界大戦末期の沖縄戦で物理的には米軍に、実質的には愚かしき学校長及び沖縄の民を蔑ろにした旧帝国陸軍に命を奪われた少女達の過酷な運命を映像化した作品である。】」ひめゆりの塔(1995) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【”瞑目”今作は第二次世界大戦末期の沖縄戦で物理的には米軍に、実質的には愚かしき学校長及び沖縄の民を蔑ろにした旧帝国陸軍に命を奪われた少女達の過酷な運命を映像化した作品である。】

2025年11月20日
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ー 先日、与党の高齢右派議員が、”ひめゆりは歴史の書き換え”と言い放ち、その後沖縄県知事を始め与党内からも激しく糾弾され、最初はモゴモゴと言い訳を言っていたが、最後は謝罪した件は多くの方がご存じだと思う。
  こういう輩は、表面上は謝罪してもその思想は変わらないと思う。とっとと議員を辞めて頂きたいモノである。議員数を減らす動くがある中で、こういう輩こそ真っ先に削減すべきであろう。
  何故に、「ひめゆりの塔」が、4度も映画化されたのかを理解していないのであるから。沖真和県民の感情を逆撫でするこういう輩が政治家である事自体が日本の恥である。-

■太平洋戦争末期。沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の240名の生徒たちは、傷ついた戦士たちを看護するためと愚かしき学校トップの男(石橋蓮司)に疎開から戻されて従軍させられる。
 一方、その男は、自分だけとっとと比較的安全な参謀本部に行くが、その際にミヤギ先生(沢口靖子)に貴女も行かないか、と言うもキッパリと”生徒だけ危険に晒して、自分だけ安全な場所には行けません!”と言われるのである。
 米軍が沖縄に上陸する中、“ひめゆり学徒隊”には6月18日に解散命令が下り、戦場に放り出されてしまうのである。

◆感想<Caution!内容に触れているかな?>

・申し訳ないが、映画としては「ひめゆりの塔」自体が、悲劇であるためと、物語の流れがぶつ切りになる部分が多く、戦争映画としては少しウームである。

・だが、他の沖縄戦を描いた映画でも描かれているように、旧帝国陸軍の沖縄の民を蔑ろにした、ガマ(天然の洞窟)に逃げ込んでいた民間人を軍人が追い出したりするシーンは、しっかりと描かれている。

・米軍の投降を呼びかけるアナウンスが流れる中、思想教育を受けていた女学生と先生が手榴弾で自決するシーンは哀しい。

・だが、男の教諭(永島敏行)は、女学生が鍼管を抜こうとしていた手榴弾をポケットに入れ、”生きなければ、駄目だ!”と言い、米軍に投降するのである。

<今作は、第二次世界大戦末期の沖縄戦で物理的には米軍に、実質的には愚かしき学校長及び沖縄の民を蔑ろにした旧帝国陸軍に命を奪われた少女達の過酷な運命を映像化した作品である。瞑目すべきであろう。>

NOBU
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