「藤純子に着物を着せて花札をさせる、これだけで映画は成立する」緋牡丹博徒 花札勝負 jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)
藤純子に着物を着せて花札をさせる、これだけで映画は成立する
起:お竜が歩いて街にやってくる
承:お竜が良いヤクザ一家に草鞋を脱ぐ
転:良いヤクザ一家が悪いヤクザ一家からひどい目に遭わされる
結:お竜が悪いヤクザ一家を皆殺し
鈴木則文による基本フォーマットはもう完成しています。
そして脚本のバリエーションとして、
・舞台は地方都市
・いい男と出会うが成就しない
・熊虎のコメディリリーフ
・賭場でのイカサマ の手口。→屏風札の仕組み。
・かわいそうな子ども
・若者の恋
・汚い権力者
・お竜のカチコミに誰が同道するか
・シーンごとに着替える着物の美しさ
などを盛り込んで出来上がり!
緋牡丹博徒シリーズは藤純子に着物を着せて花札をさせる、これだけで映画は成立することを見事に証明しています。そこにいい男とかわいそうな子どもが絡めば言う事無し!
お竜は2000円(現在価値で数千万円)をどっからもってきたの?とか、子どもの眼の手術代金はどうしたの?とか、偽お竜はお竜の名前騙る必要なくない?とかこまかいことは言いっこなし!
加藤泰のクローズアップを多用したショット、色ガラス越しのおどろおどろしい顔のアップなど演出も冴えています。
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