劇場公開日 1978年7月8日

「それほど深刻なタッチで描かれていないので,うっかりすると気持ちよい...」人妻集団暴行致死事件 しょうけらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0それほど深刻なタッチで描かれていないので,うっかりすると気持ちよい...

2022年3月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

それほど深刻なタッチで描かれていないので,うっかりすると気持ちよい感じで終わってしまうけれど,やはりその奥には気持ち悪さがある.百姓や染物の家庭に生まれて家族に愛されたり見放されたりしている青年たち.団地や工場の誘致を行うビジネスマンや新しく住み始めた人々との関係が,仕事や女性関係,居酒屋での生活を緩やかに息苦しくしていく.生活の目標も性的な楽しみも先細りしていく中で,運悪く起こる出来事.事件は起こってしまった以上,あとから感情を込める必要はないのだ.ただ胸糞悪いのは,事件で死ぬことによって遺体は解剖され,火葬の手続きもお役所仕事の中で月並みな正義感の刑事の命令を飲まないといけないことだ.おやっさんがすぐに通報せずに死体とともに風呂に入ったことも,その後の経過を見る限りではわかってしまう.環境のことを摘発することもなく,ツイてなかったということ以外にいうことができない人たちの悲しみを少し思ってしまう.

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