「戦後日本の社会史的視点」反逆のメロディー よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
戦後日本の社会史的視点
高度経済成長期の日本社会が何を失ったのか。大資本が肥え太る陰で破壊されていったものが描かれている。
まずは「ここは砂浜だった」土地が埋立てられて港湾施設やコンビナートに変わっていく。そして、撤去されつつある古い橋。自然を含めた古い風景が破壊され、失われいくのだ。
そして、映画の冒頭で組長による解散宣言に象徴されているのだが、それまでの任侠を旨とするやくざ組織の破壊と消滅である。良くも悪くも貧しい人々の暮らしとともにあったやくざが消えて、大企業の下請けその他の合法非合法な活動を請け負う組織が残る。
そうした大きな変化の時代を、若き日の原田芳雄が演じる青年が駆け抜ける。
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