薄桜記のレビュー・感想・評価
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愛と遺恨の忠臣蔵外伝
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Amazonプライム・ビデオで鑑賞。
原作は未読です。
市川雷蔵と勝新太郎―"カツライス"と呼ばれ親しまれていた大映二大スターの共演による、格調高き文芸時代劇。
堀部安兵衛と丹下典膳の友情。遺恨がさらなる遺恨を呼ぶ憎しみの連鎖。典膳と千春の切なすぎる愛。人間ドラマがとにかく秀逸で、過酷な運命に翻弄される丹下典膳役の市川雷蔵が、情感の籠もった名演で体現しており、魅せられました。
クライマックスに繰り広げられた、雪の降りしきる千春寺での対決は、斬新な殺陣とそれを切り取る緻密なカメラワークによって、壮絶を極める死闘の中に、美しさと儚さ、とてつもない悲しみが入り交じるシーンとなっており、その見事さに息を呑み、自然と涙がこぼれてしまいました。
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見応えある殺陣の美しさ
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勝新も雷蔵も美しい立ち回り、颯爽とした殺陣も小気味よい。冒頭の勝新が走るシーンのカット分割はうなったが、ここだけだったので残念。映画主流の当時だから編集に手間かけすぎると封切りに間に合わなくなるかな。
決闘高田馬場で始まり討ち入りで終わる構成はいい。そうか、堀部安兵衛と丹下左膳の生い立ちをこんなドラマにしてしまう五味原作は、ぜひ読んでみたい。両スターの見せ場を随所に絡め、面白い時代劇だった。
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