「誰もが通り過ぎた風景。」博多っ子純情 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もが通り過ぎた風景。
1970年代後半・博多。
博多山笠からの導入部が、思春期男子の若さ・勢いと程よくリンクし、物語が疾走していく。
DTたちの行動に、時を越えて共鳴し、頷き、笑い、悶絶する。
そして、その時を選ばぬ普遍性と共に感じるのは、男が男でいられた、大人が大人でいられた、最終章を切り取った作品であるということだ。
決して昔の方が良かったとは思わないけれど、暴力というものが人間に不可分のものとして存在しているということ。
子供には立ち入らせないエリアが厳然としており、且つ、そのエリアに導く大人の、先輩の、役割があったということ。
死が今よりも身近にあったということ。
色々なものが潜行してしまっている現在において、もっとスポットが当たってもいい作品だと思いました。
個人的なことですが、この作品より少しのちの時代に、福岡で生活していたので、博多弁や決闘の描写は、懐かしかったです。
実際に決闘する時代でしたね。
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