配達されない三通の手紙のレビュー・感想・評価
全1件を表示
この秋 ミステリアス・ラブを あなたに
クリックして本文を読む
映画「配達されない三通の手紙」(野村芳太郎監督)から。
「手紙」をキーワードに作品を選んだら、
1978年日本アカデミー賞作品「事件」のスタッフ(監督・脚本)らが
製作した作品にぶつかった。
今では、2時間ドラマになってしまいがちだが、当時としては、
外国小説を原作とした映画化として話題を呼んだと思う。
場面場面では、突っ込みどころ満載で笑える部分もあるが、
豪華キャスト・スタッフの名に驚くしかなかった。
片言の日本語で、外国人を表現したり、
「味の素のマヨネーズ」や「もやし一袋32円」と書かれた
商店街の貼紙に、その時代の生活感が記録されていた。
今回の気になる一言は、この作品の「予告編」。(汗)
キャッチコピーとしても、作品全体をあらわすフレーズとしても
「この秋 ミステリアス・ラブを あなたに」は上手い。
特に「ミステリアス・ラブ」には、唸るしかなかった。(笑)
単なる、殺人の推理小説だけでなく、また恋愛小説でもない。
日本語では、文字にしにくいジャンルを、
「ミステリアス・ラブ」という単語は、表現している。
ただ「mysterious」とは、本来「神秘的なさま。不可解なさま」の意。
事件や犯罪の問題解決への捜査を描いた推理小説「ミステリー」を
知らなければ「神秘的な愛」「不可解な愛」となるが・・。
まぁ、それでも意味は通じるかなぁ、今回の場合。
P.S.
「脚本(新藤兼人)」「スタイリスト(原由美子)」の名前を見つけ、
こんな作品に関わっていたのか、と嬉しくなった。
エラリー・クイーンの小説を「災厄の町」と訳した早川書房も天晴れ。
コメントする (0件)
共感した! (0件)
全1件を表示