劇場公開日 1987年

「凛々しく恋してゆきたいんです私」はいからさんが通る こうたさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 凛々しく恋してゆきたいんです私

2025年7月1日
Androidアプリから投稿

「スケバン刑事」、「はいからさんが通る」と来て、「魔法使いサリー」の企画を断ったのは、ナンノちゃんにおける大正デモクラシー。
二次元美少女ではなく、生身の女優を主張した頃、バッシングは最高潮に。
恋人からのプレゼントのブランド品を、「あ、これ違う」とゴミ箱に投げ入れたなんてエキセントリック伝説を真に受けたもんです。
ナンノちゃんがちょっと生意気なわがままさんであったとしても、例えば秋吉久美子とかに憧れている新進女優のそれならば、大抵の方は一笑に付す程度のもんでしょう。
しかし相手は虫を殺す事を許されない国民的アイドル。可愛いわがままでさえ一大スキャンダルとなる時代でありました。
女優にとって一世一代のハマり役が、実は本人以上に本人だったなんでよくある話し。
ロミー・シュナイダーのエリザベートとかね。
はいからさんという正義感の強い勝ち気なお嬢様は、今になって思えばナンノちゃんそのもの。
大人しく従順なミポリンや、下積み時代の長い静香や唯は伝統に従うしかなかった。
アイドルの人権奪回の為、ナンノちゃんは闘ったのである。

こうた
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