劇場公開日 1987年

「花の大正高速ロマン」はいからさんが通る 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5花の大正高速ロマン

2019年8月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

萌える

じゃじゃ馬ヒロインの大正ロマンス。
昨年一昨年と2部作でアニメ映画化もされた大和和紀の名作少女コミック。
こちら1987年の実写版。

アニメ版を見ていたので、話の流れは把握。
両家のある縁で、生まれる前から許嫁同士の紅緒と青年軍人の忍。
最初は反発し合っていたが、次第に惹かれ合っていく。
忍はシベリアへ。行方不明に。
忍を捜す為、紅緒もシベリアへ。見付からず、雑誌社の上司・青江との結婚を決意する。
そんな時、記憶喪失となっていた忍の記憶が戻り、日本に帰って来る。
関東大震災に襲われるも、紅緒と忍は再会を果たし…。
約90分の尺だが、一通りのエピソードや展開を抑えている。

しかし!
展開が早い、早い!
紅緒と忍は一体いつ、どのタイミングで何がきっかけで惹かれ合うようになったのか。ここら辺、もうちょっとじっくり描いて欲しかった。
シベリア行きも青江との出会いもクライマックスも、何もかもダイジェスト的。
アニメ版を見ていなかったら、展開の早さに呆然としていた事だろう。

今流行りのコミックの実写化と言うより、本作はアイドル映画。
南野陽子がとにかく可愛い! それに尽きる。
男勝りの性格で、家事や女性らしい嗜みはまるでダメだが、終盤髪を切り、白い喪服姿は凛とした美しさ。
当時人気モデルだった阿部寛の役者デビュー作としても有名。衝撃的なのは、その演技力…。
正直、主演二人の演技は拙いが、フレッシュさはある。
決して出来のいいとは言えないB級アイドル映画だが、周りはなかなかベテラン固め。特に、丹波哲郎と野際陽子の今は亡き“キイハンターコンビ”はファンには嬉しいだろう。

幾度も映像化されている名作故、話自体はドラマチックで面白い。
最近アニメ映画化されたばかりだが、また映画やSPドラマなどで実写化されたら、その時は誰がどんな魅力で紅緒を演じるか、ちょっと興味あり。

近大