「日本の代表的な戦争映画だが、人間の極限状況の一つを描いているだけでは?」野火(1959) Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の代表的な戦争映画だが、人間の極限状況の一つを描いているだけでは?
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1959年製作/105分/日本、配給:KADOKAWA、劇場公開日:2025年8月1日、
その他の公開日:1959年11月3日(日本初公開)。
終戦記念日前日ということで、前の戦争のことをもっともっと知りたいと思って、著名な本映画を視聴。舞台はフィリピン・レイテ島だが、太平洋戦争を描いた戦争映画というより極限状況でのサバイバルの映画とは思ってしまった。
船越英二が役に入れ込んだせいか全く別人に見え、映像に後年の市川崑監督らしいオシャレ感が全く無く、映画の性質上当たり前かもしれないが意外に感じた。
放浪中に出会う3人組の班長稲葉義男は、塩を持っていることを知って対応が様変わりで、非エリート軍人らしいとは感じた。
人肉を喰らうという描写はスキャンダラスであるが、宗教観はベースになく、極限状況は説得力を持って描かれていたので、騒ぐ程のことかと思ってしまった。
この映画を高く評価する50年代末という時代の空気は理解できるが、今見ての自分的な評価は、期待した戦争そのものは描いておらず、類似映画の存在もあり、あまり高くつけられないと思ってしまった。
監督市川崑、原作大岡昇平、脚本和田夏十、撮影小林節雄、照明米山勇、録音西井憲一、美術柴田篤二、音楽芥川也寸志。
出演
船越英二、滝沢修、ミッキー・カーチス、佐野浅夫、月田昌也、中条静夫、星ひかる、稲葉義男、飛田喜佐夫、大川修、此木透、夏木章、川井脩、竹内哲郎、早川雄三、杉田康、志保京助、伊達信、潮万太郎、守田学、津田駿二、細川啓一、山茶花究、伊東光一、浜村純、中原健、米沢富士雄、浜口喜博、黒須光彦。
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