「陳腐」野菊の如き君なりき(1955) クネーゴさんの映画レビュー(感想・評価)
陳腐
法律上は結婚が認められるとは言え血の繋がったいとこ同士の恋、世間体を気にする保護者による引き裂き、家族に押し切られての他者との結婚、結婚しても変わらぬ心、若すぎる死、といずれの点を取っても陳腐なストーリーです。
この時代に女性が2歳年上である事が二人の仲に大きな影を落としていることは映画を見れば分かりますが、そのことの重さは現代を生きる我々には心底からは理解できません。
確かに泣けるストーリーですが、画面上で家族が泣いているから見る側もつられて泣けてくるという効果もあるように思います。
随所に入る短歌が鬱陶しいし、ほとんどの時間で画面が楕円状のカットになっているのも不快です。
私は再度見たいとも思わないし、他人に勧めることもできません。
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