「選択。」人間の條件 完結篇 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
選択。
2015年8月、戦後70年。丸の内、スクリーンで1・2部鑑賞したのち、自宅で最後まで。
兵役を忌避していた、ちょい有能だが肝の小さい男・梶(仲代達矢)が、時代に絡め取られていく様。忍耐・苦痛を強いられる中、己れであるために、人間であるために、もがき闘う姿を描く。
梶は、決して手が届かない空想の人物 としてではなく、我々一人一人の中にいる。
目の前の問題に、どう判断し行動するかを決するのは、我々の中の梶なのである。
梶も含め、決して綺麗事だけではない、戦時下という極限において表れる様々な人間の本質。私はどの人間を選ぶのだろうか。
新珠三千代演じる、妻・美智子。美しかった。パートナーの存在が人に与えてくれるものは大きい。そう改めて感じさせてくれるヒロイン像。
初期の田中邦衛に会える貴重な作品でもあった。
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