「当時の米軍(米政府)による日本の扱い」日本列島 tacohtkさんの映画レビュー(感想・評価)
当時の米軍(米政府)による日本の扱い
主人公宇野重吉は米軍キャンプに勤めているという設定がとても重要になる。
映画のなかで、米軍の存在、米軍をも凌駕する米スパイ組織の存在が頻繁に語られ、背景としての映像にも再三にわたって登場する。
米軍機による、教室のガラスを割るほどの爆音は象徴的だ。
戦後まもなく、まるで治外法権のような状況が必ずしも声高にではなく坦々と描かれていく。
そこに挟み込まれる安保闘争の映像
当時の少なくないだろう日本人の、アメリカに対する思いが示されている
そして、沖縄
沖縄転勤を告げる記者に、同僚が「しばらく日本ともお別れだな」と述べると、その記者は、沖縄も日本列島のうちだよと答える
現在でも、日本にある米軍の圧倒的多数が、今の沖縄にある
そのことを思うと、数十年も前のこの映画が、今という同時代性を表現していることがわかる
宇野重吉、加藤嘉、二谷英明、北林谷栄… 名優たちがスクリーンで活躍している
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