日本のいちばん長い日(1967)のレビュー・感想・評価
全51件中、21~40件目を表示
今の政治屋ども、せめてこれ観ろ!
負けを認めて戦争を終われせる。
そんな今の感覚で考えればごく当たり前の事を決めるのに
なんでこんなに拘るのか!?
負けを認めて戦争を止めるとどうなるのか?
あえて今の人に一番わかり易い表現をすると
「風の谷のナウシカ」の中で
トルメキアが攻めて来て風の谷の住人に銃を向け
土地や物品や自由を奪って行く〜
あんな事が起こると思っているから止めるに止められ無い。
実際あんな生ぬるいもんじゃ無いけど〜
つまりは戦争は始めたら最後、降参しても
地獄しか待っていないって事ですね。
この映画の中で、
すでに死んでいった者たちに申し訳ないから
戦争を止めずに最後の一兵まで本土決戦するべきだと
言い張る兵士たち!
何だか今の官僚が
「一度始めた事業を止めると
前任者を否定する事になるから止められ無い」
みたいな論理で間違った事業を止めないのと
全くおんなじじゃないか!!
死んでいった者達に申し訳ないと本気で思うのなら
残された人たちを守るのがお前らのやるべき事ではないのか!
前任者が間違ったと思うのなら
正しい方向に修正するのが、後輩のやるべき事じゃないのか!
観いて怒りがこみ上げた!
「生きる方が大変なのだ!」と言い残して自決した阿南陸相。
軍部を暴走を抑えてスムーズに終戦を迎えるための
一種の人身御供であり、
三船敏郎が演じているのでカッコ良く見えてしまうが
確かに死ぬ方が、狡いかもしれない。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
2015年の原田監督版も映画館で観てますが
これはやはり別物としなければ
原田監督に分が悪すぎるでしょう。
何といってもこの映画は
昭和の名優がまだまだ現役バリバリの時代に作られてます。
つまりは実際に戦争を知っている人達や
その空気の残る時代に育った人達がやってる訳で
そこは緊迫感が違う。天皇への思いも違う。
そこはしょうがない。
逆に言えば、
映画の描く昭和二十年七月二十六日から
敗戦日である昭和二十年八月十五日までの空気感を
リアルに感じられると思います。
超有名な映画ですが、そこそこ長いので
午前10時の映画祭の様な機会に映画館で観なければ
これだけ様々な鑑賞手段の増えた時代でも
なかなか手の出ない作品だけに
「午前10時の映画祭」運営の皆様に感謝です。
本当に面白かった!!
@もう一度観るなら?
「一回は映画館で観とか無いとね〜」
「軍隊は命令で動くものだ」
物心ついて、燻し銀の演技力をみせつけていた素晴らしい俳優達の、未だ自分が生まれる前の脂が乗っている時代に堂々たる活躍をスクリーン一杯に披露していた作品である。
主にポツダム宣言を受容れるまでのアバンタイトルの長さに驚き、確かに長い話になりそうな雰囲気である。そして玉音放送までの詔書作成と、宮城事件、鈴木首相宅焼き討ち、厚木航空隊事件、児玉航空基地での特攻隊出撃シーン等を絡めつつ8月14日から15日正午までの短時間を大変濃縮した空間として描いた構成である。
充分有名な作品であり、ちょくちょくラジオのパーソナリティのネタのきっかけにもなる作品だったので、きちんと観てみようと思った次第である。
この手の内容に常に思うことは、軍人という種類の人間の馬鹿馬鹿しさである。始終四白眼で演技していた将校の鬼気迫るシーンを目の当たりにするだけでなく、期限が設定された途端、右往左往する軍人達の愚かさを表現しているにつけ、本当に戦争の愚かさを改めて身に沁みてくる。そして憤怒の想いで、こんな連中に国を舵取りさせていたのかとやるせなさと無力感に苛まれる。結局エリートなんてものは国の事を考えずに自分本位が本音でありその組織の保守のためならばどんな犠牲も厭わない悪魔なのだということでしかない。そして何の力も持ち得ていない下々は常にそんな連中の都合に振り回され、命を奪われる。
この作品中の陸軍大臣の潔さに称賛を送っている悪魔達もいるだろうが、決して美しいモノではないことを肝に銘じて欲しい。この作品にでてくる総ての役は市囲の人ではない。その才能を自分だけの利益のために使っているだけの悪魔である。リアリティ演出としての天皇の顔を恣意的に隠す演出等、視覚効果も優れた、反戦映画としての高い評価を自分は送りたい。
そして、また世界中のどこかで常に戦争は続き、死ぬべき人間が生きて、生きるべき人間が死んで行く・・・
すごい映画
玉音放送が流れるまでに何があったのか。
歴史を知れる。
陸軍は玉音放送を止めようとそれを奪おうとする。
陸軍にとっては負けを認めることになるから。
これまで死んでいったものに申し訳がたたないと、ただ広島、長崎に原爆が落とされ天皇の意思は固い。
日本は8月15日に全面降伏した。
ポツダム宣言の受諾である。
8月14日に何があったのか語られる。
鈴木貫太郎はすごい人と思った。
日本帝国のお葬式という言葉が残ってる。
終戦のための息詰まる机上の戦争。
『会議映画』と言うジャンルがあったら、間違いなくトップランク。現場から突き上げを食らって会議のメンバーの意見がまとまらず、最後は天皇に判断を仰ぐと言う体たらくは、ある意味日本人の国民性が出ていて面白いです。会議が静なら、近衛師団の反乱計画は動と言う感じで、終戦によって行き場がなくなってタガが外れた人間のギラギラしたエネルギーを強烈に描いているのが、岡本喜八らしいところですね。
最近リメイクされた作品はピントがずれていて、この作品の足元にも及ばず。
本当に長い一日
午前十時の映画祭で鑑賞。
74年前の日本。ここまで考えが違うのだとびっくり。
まるで宇宙人を見てるみたいに登場人物の気持ちがまったくわからなかった。価値観っていうものはあっという間に変わっていくもんだな。
日本が降伏を発表するまでの一日の出来事を描く作品。
終戦の日にこんな事が起こっていたなんて知らなかったと反省。もっとずっと前に学校とかで見ておくべき映画。
登場人物の表情豊かな顔をアップで写していく演出が印象的だった。見てる時はわからなかったけど、エンドロールで数々の名優達が出ていてはぁ〜となった。それぞれのキャラが濃かったもんな〜。
天皇の顔をはっきり見せず、手前の人物などで隠す描き方は当時の天皇という存在のあり方を表していて面白いなと思った。もしかしたら、映画を撮影した22年後でもそうだったんだろうか?
いくつか喋ってる言葉の意味がわからない部分もあったが、
157分という尺で身をもって長い一日を体験した気になった。
一般の人の気持ちを描かない本作を見て、昔読んだ手塚治虫の漫画『紙の砦』で終戦に手を挙げて喜ぶ手塚少年の姿を思い出した。
The Longest Day
残された者は、生きて日本を再建しなければならない。
陸軍大臣を英雄視しているという批判的な見方もされるが、彼が放つ言葉は、重い。
阿南大臣、残された者たちは立派に再建を果たしましたよ。
政治的な戦後処理は棚上げにしちゃいましたが。
ノンフィクションをベースに、多元中継的に出来事を淡々と描く圧倒的なリアリティーと、緊迫のサスペンス。
橋本忍の見事な脚本と、岡本喜八のこだわりの演出。
なにより、役者たちが凄い。
豪華キャストが皆、渾身の力演。
海軍大臣:山村聰と陸軍大臣:三船敏郎の対立場面では、二人の役者の重厚な存在感が溢れ出ていた。
緊迫した場面が連続する中で、侍従役の小林圭樹が「そういうことなら、私が預かります」と、いつも通りとぼけた調子なのが笑えた。
アナウンサー:加山雄三が銃を突きつけられても要求を固辞する場面に、あの時代は民間人までも命をかけて職務にあたっていたのだと感じた。
別の場面で侍従たちが言う「日本を守っているのは、あなたたち軍人だけじゃない」
敗北の経験がない軍人たち、国のために死ぬことが美しいと教え込まれた若者たち。
玉音放送に涙する者たちの心情は、戦後世代が共感できるものではない。
決起した反乱者たちも戦争犠牲者だった。
もしこの時、本土決戦に進んでいたら、日本という国はなくなっていたんだろう…と思うと、重臣たちと昭和天皇の決断には感謝すべきだろう。
しかし、万一この大戦に勝利していたらと考えると、より恐ろしい。
また、この大戦が勃発しなかったとしても、日本帝国の軍国主義が継続していたことになる。
今の日本の平和は、300万人の犠牲者の上で成り立っているのだ。
戦争は放棄したが、幼児虐待やイジメによる犠牲者は後を絶たず、無謀運転や無差別殺傷などの理由なき犯行が横行する今の日本を、彼らはどんな思いで天国から見つめているのだろう…
横浜の民兵を煽り立てる隊長役の天本英世は、当時何歳だったのだろうか、既に歯がかなり抜け落ちてたなぁ。
昭和の時代に切腹自殺?
この映画のタイトルは昔から知っていましたが、なかなか見る機会がなくて、やっと鑑賞できました。白黒で堅苦しい映画なのか?と最初不安でしたが、特撮もCGもない当時の映画技術はどんなものか知りたかったし・・・。昔から太平洋戦争の負けた原因は海軍と陸軍の衝突にあると言われていますが、ことごとく意見が対立している状況は戦争映画で少なからず描かれていますね、米内海軍大臣と阿南陸軍大臣。陸軍大臣といえば東條英機が余りにも有名ですが、阿南陸軍のことは知らない情報でした。しかし・・・・この映画の中で将校は皆 軍刀を差しています、もちろん戦場で戦うために使うものだと思ってましたが、大臣が割腹自殺するというシーンは 映画の脚本かと思いきや 事実だったのですね。「こんな奴は叩き斬ってしまえ!」という台詞がありますが、昭和の時代なのにまるで戦国時代の武士のような生き様なのが驚きました。
武士が割腹自殺するのは、責任を取る ということだと思いますが阿南陸軍大臣はこの世にいる最後として酒を飲んで酔っ払った状態での自決は部下の謀反に対しての事なのか、あまりにも凄まじいシーンで正視に堪えなかったです。強烈なシーンが延々と続く
映画では語られていませんが、
阿南陸軍大臣は、その割腹自殺の臨終の際に・・・・米内を斬れ! と言ったそうですが相当海軍大臣を嫌っていたものと思います。ただ米内海軍大臣は割腹自殺した阿南を焼香に駆けつけていたことから 阿南ほど嫌っていなかったのでは?
この映画の主役でもある、玉音盤を放送の時間まで宮内庁が預かり金庫の中にしまい、更に大量の書類の束のなかに隠すシーン。後から来た反乱軍が必死に探し回るなか、とうとう見つかってしまうのか?
というドキドキのシーンでした。見事な脚本だと思う
実際 玉音盤で放送されたのは歴史的事実だから 盗まれる訳がないという思いでしたが、まさか盗まれるのか??というハラハラした。
また昭和天皇を正面から映さず、後からとか椅子の陰とかからとかやはり当時の恐れ多くも目も合わせられない存在である という描き方でした。
日本の命運が決した二十四時間
東宝8・15シリーズ第1作。
DVDで2回目の鑑賞。
原作は未読。
岡本喜八監督の手腕が冴え渡っている。ドキュメンタリーみたいにリアルであり、タイムリミット・サスペンスならではなハラハラ・ドキドキをも感じさせる演出が巧みだ。
三船敏郎他東宝所属俳優たちが軒並み出演しオールスターの貫禄を放っていて、彼らの重厚で情感たっぷりな演技が本作のリアリティーを底上げしており、心揺さぶられた。
場所や人物名などのテロップ、会議シーンを映し出すアングルなど、「シン・ゴジラ」で模倣されていた部分を確認出来たことが、特撮ファンとしては大変嬉しかった。
初めて鑑賞したのは2、3年前のことだが、その時まで本作で描かれている出来事があったことを全く知らなかった。
国の命運が決しようとしているその裏で幾人もの想いが交錯し、狂騒の中で血が流されていたのかと強い衝撃を受けた。
よくよく考えれば、すぐに受け止められないのも当然だとも思った。これまでの体制が崩れ去ってしまうのだから。
無条件降伏を良しとしない陸軍青年将校たちの暴発。宮城占拠及び玉音盤の奪取と云う暴挙。最後の足掻きとばかりに暴走する彼らの姿が痛々しく、そしてとても物悲しかった。
敗北は火を見るよりも明らか。本土決戦に持ち込んだところで状況が好転するとは思えない。竹槍でB‐29が落とせるわけが無いし、精神論で敵の軍勢と火力に敵うはずも無い。
日露戦争でロシア帝国に勝利した国と同じ国とは信じられない為体だ。陸軍は政治に走り過ぎてしまって、外に目が向かなくなってしまっていたと云うことなのかもしれない。
ラストに示される犠牲者の数と、惨状を記録した写真。我々が享受する今日の平和は尊い犠牲の元に成り立っていることを決して忘れてはならないと云う想いを新たにした。
悲劇を繰り返してはならない。その一念だけは揺らいではならない。痛ましい経験をした民族だからこそ訴えられることがあるはずだと、胸に刻んでおかねばならないと思う。
[余談]
畑中少佐役の黒沢年男が名演だ。彼から迸る熱情と狂気。目をガッとかっ開いて、汗まみれになりながら決起を促す姿が鬼気迫っていて、めちゃくちゃ圧倒された。
全てを食う勢いがあり、本作が名作たる一助となっているのは間違いない。宮城に向かってピストル自殺する時の表情と死に様も壮絶。凄まじい余韻が漂った。
[以降の鑑賞記録]
2020/08/14:Blu-ray
2023/08/16:Blu-ray
2024/08/14:Blu-ray
※修正(2024/08/14)
戦争を考える映画
実はこの作品、リメイクは観ていますが本作は初見です。
『空母いぶき』の後これを観ると、『空母いぶき』だけ観て感動した人に、是非本作も観て、見比べて欲しいと思ってしまった。
戦争が綺麗ごとだけで終わる筈もないし、戦争を題材にした作品でその様な作り方は絶対にして欲しくないということを改めて実感しました。
ついでに最近話題になった北方領土の「戦争でしか取り返すしか…」とかの発言した若手アホ議員にも観せたい作品ではありました。
この映画の中で色々な立場の色々な言い分が出てきましたが、それぞれの理屈があり、例えば自分がどのタイプとかも客観的に考えてみてはどうでしょうかね。
それと、もし本作と『空母いぶき』を続けて観た方がいたとしたら、どちらの作品の方が“戦争”というものの実態が見えたか?、どちらの作品の方が心に刻まれたか?、是非比較して欲しいです。
戦争を実感として捉えた人間が作ったモノと、実感の伴わない人間が作ったモノとの差が如実に出ていると思いますよ。
しかし、見比べてつくづく感じるのは昔の方が圧倒的に自由に映画が作れた様な気がします。というか完璧に今の方が窮屈ですね。あんな忖度映画しか作れないのは、今よく言われる「コンプライアンスの弊害」なんでしょうかね。
戦争で狂うのは悲しいけど、平和で狂うのは哀しいですね。
分かりやすいしテーマが明確
脚本が整理されていてなおかつ人物に所属や名前が字幕でかぶさるので、ことの次第が大変わかりやすい。
それぞれの立場の違いというものも、誰に肩入れするではなく見ることができるので、非常に考えさせられる。視野の広い人狭い人それぞれに理があり国民として存在することの難しさ。時間が迫る中で手順を追わねばならず、見てて胃が痛くなるようなシーンの連続。
敗戦が決まっているのに出撃する児玉基地の特攻隊には涙がでそうになったが、戻った機も多かったようで少しホッとしたり。
しかし恐ろしいのは民兵?(学生)を率いる横浜の隊長だ。畑中よりもこちらの方に狂気を感じた。制限なく狂うのは、軍人よりも一般人なのかも
・前半の静かな動きを見ててお上のやることだもんなぁと眺めてたら、後...
・前半の静かな動きを見ててお上のやることだもんなぁと眺めてたら、後半の激しさに恐ろしくなった
・学校で教科書読ませるよりこの映画を観せてほしい
・笠智衆が登場するとホッとする。黒沢年男がクレイジー。とにかく配役全部完璧
評価保留です
ポジティヴに受け止めているのは確かなのですが、どう評価してよいのかわからなかったです。
例えば、言っているセリフがジョークなのか、皮肉なのか、シリアスなのか。
当時の状況をしらないと判断しにくい部分があったからだと思います。
そんなこと気にしなくてもいいのかもしれませんが。
映画としては面白かったです。
日本のいちばん短い日
終戦から22年後の映画とのこと。1967年であればカラーでも撮れそうだが敢えてモノクロにしたのだろうか。
8月14日から15日の出来事については少しだけ知っていたが、陸軍軍人をはじめとして登場人物が「天皇」と言ったり「天皇陛下」と言ったりする。考証としてはどうなのだろう。大幅な脚色はしていなさそうな印象ではあったが。
さてこの24時間が、日本のいちばん濃い日だったことは間違いないかもしれないが、当事者にとってはむしろ、いちばん短い日だったのではないかとも思える。それほど濃密な日だったことはひしひしと伝わってきた。この臨場感はやはり書籍だけからだと難しく、まさに映画の真骨頂だと思う。
一見無駄とも思える言葉選びに紛糾する会議に、意思決定の遅さや手続きの冗長さなどマイナス面の印象を持つ人も多いだろうが、騒乱にもかかわらず終戦決定からわずか一日で玉音放送まで無事こぎつけることができたのはむしろ驚異的な迅速さですらある。もう少し遅かったら北海道だけ東側の国になっていても不思議ではなかったのだから、結果的にはあの時点ではベストシナリオで推移したと言えるのではないか。戦後日本の命運を左右するまさに岐路の一日だったわけだ。
なんでもっと早く降伏しなかったのかと安直に思っていた時期もある。
だが戦争をやめるのがいかに難しいかということを改めて認識させる作品である。
誤解を恐れずに言うと、正直なところこれほど登場人物に共感できなかった作品も珍しい。今を生きる日本人と彼らはまったく別の世界に生きていたとさえ感じられる。にもかかわらずこれだけ見ごたえがあるのは、この作品自体の持つパワーと日本のもっとも濃い日の史実の重みによるのだろう。
君が代が流れたときこみあげてくるものがあった。そのとき、少しだけ彼らと繋がった気がした。
リトマス試験紙
何かを感じる=日本人
何も感じない=外国人
昭和天皇御自身もご覧になったというのが興味深い。
...
その時代を生きて辛酸を?舐めてきた人間たちが名優となって
図らずも演じることになった、という背景が名作を生むきっかけになったと
思います。
今の日本の若者も決して嫌いじゃないし、
この映画で感じる「今の若者の、昔の若者に比べての良さ」も分かります。
ただこれは実録動画のようで、映画とは思えない迫力があって、
きっと戦争の頃の日本は本当にこんな感じだったんだろうなという気持ちに
なって、
ただ、その頃の時代というものが「見えた」ことが有意義だったと思います。
昔に習って、こうしろああしろ、という気持ちにはなりません。
単純に「何かを感じた」それだけです。
それが日本人である証拠なんでしょう。
...
東宝創立35周年記念作品
高橋悦史が光る
黒沢年男は小物感、声がまだ渋くない。
陸相のハラキリは引っ張る、長い、介錯無用!おびただしい血。
森さんの首が飛んでびっくり。
横浜の将校がキレまくっててこわい、と思ったら天本英世なのね!
玉音放送にナレーションとテロップを被せて終わり。
大臣たちがホッとした時点でまだ午後11時、いちばん長い日はまだ半分しか経っていなかった。
日本人が忘れてはいけない日
この映画のすごさは、この歴史のページを息をつかせぬ緊張感で描いていること。しっかりと背景も説明して、どうして8月15日か、というのも納得させる。
冒頭にそういったふりもあるので、切迫感が伝わってくる。
やっぱり三船は凄い。それだけでも観る価値ある映画だけど、本音では日本人なら一度は見てほしいと思っています。
岡本喜八監督の一番作品と思っている。白黒映画で緊張感を持続させているのかもしれない。ポスターはカラー写真だったけど。
椅子から立てなかった。
若い頃に見たときはサッパリ分からず、退屈で眠かった。
今見ると凄い映画だった。
あのころ私は未熟だったのだ。
この映画はまず
国体
の意味がわからないとわからない。
国体とは天皇を有する国の形・・・つまらん言葉で言うならば天皇制のことである。当時の人々にとってそれがいかに絶対的なものだったのか・・・
映画全体の画面、演技、カメラワークは緊迫感にあふれたものであり基本的にはコメディ派の岡本喜八がいかに幅の広い監督かよくわかる。
しかし、緊迫の中にもコメディ的な要素が挟まれていて映画としての面白さを醸し出している。脚本がよくかけているだけに、ただ普通にとっていたら脚本負けする映画だったのを喜八が映画の面白さにこだわってこいういう風に作り上げたのだ。
これは岡本喜八の最高の作品の部類に入ると思う。
22年前の出来事
日本人の日本人に対する不信感、体裁や建前に雁字搦めになって、建設的な方向に自らを転換できない輩。どないもならん状態になって、君主制をブレンドしている価値がでる。現在においても天皇を戴くことに概ね肯定的なのも、日本人の糞詰まり状況を打開する鍵だと期待する旨があるからかも知れない。鈴木貫太郎は、陛下のご叡慮を引き出すのにうってつけだった。しかし、戦に展望があるか否かは、陛下でなくとも、誰でも見れば分かることだ。政治的決裁を国民自ら、ひとりひとりが取らない。上投げして、上目目線で推移を伺う。それではイカンのだ。
当時の役者陣はそれぞれの役を演じるにあたって、相当の気概をもって取り組んだだろう。割腹した阿南陸相を演じた三船の凄さは、阿南の名誉を十分回復したことだろう。この映画に出た役者陣すべてが、天本英世であっても、演じた役に対するリスペクトが感じられる。それもやはり時代なんだろう。
全51件中、21~40件目を表示