日本人のへそ
劇場公開日:1977年3月15日
解説
井上ひさし原作の戯曲の映画化。六九年に、劇団で上演されたヴァラエティ・ミュージカル喜劇。脚本は「大地の子守歌」の白坂依志夫、監督は須田栄三、撮影は「あいつと私(1976)」の蓬沢譲のそれぞれが担当。
1977年製作/102分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1977年3月15日
ストーリー
小劇場の舞台を借りて行われる吃音矯正の告白劇。本日の主役は、元浅草のストリッパー・ヘレン天津。アメリカ帰りの教授の指導のもとで行われる。東北・岩手、十年前。風景だけがやたらに美しい極貧の農村。中学生のヘレンが集団就職で東京へ出ることになる。ヘレンの恋人・ハットリ。へレンの父親は東京で交通事故にあい、娘の東京行きに強く反対していた。思いつめた父親は、娘を犯してしまう。このショックでヘレンは吃音者になってしまう。自殺も出来ず、ハットリにかくれるように東京へ。ある日、浅草で生まれて始めて、優しい男と出会う。そして、やさしい言葉をかけられ、この東大生に身をまかせる。だが、この東大生は、スケコマシのテキ屋であった。呆然と浅草の裏通りを歩いていて、ハットリに再会する。しかし、再びハットリの前から姿を消す。それから、職を転々とし、今やストリッパーになっている。やがて、劇場で人権ストが起り、ヘレンは、委員長になる。ところが、この告白劇の舞台に突如破局が起る。劇の指導者・教授が刺れたのである。実はこの吃音矯正劇で、真に吃音者であったのは教授に扮していたフナヤマ代議士一人で、彼の吃音を矯正するためであった。
スタッフ・キャスト
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ヘレン天津(モモ江
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ジュン子)緑魔子
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ハットリ君(ピアニスト)佐藤蛾次郎
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審判員(矢根浦
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コメディアン)草野大悟
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教授(フナヤマ代議士)なべおさみ
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鉄道員(タカダ
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コメディアン)三谷昇
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右翼(イシイ・ストリップ劇場支配人)小松方正
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もと歌手(トメ・合唱隊の一員・ストリッパー)東てる美
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合唱隊員(ステ・ストリッパー)女屋実和子
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学生(キミヅカ・台本作者)丸山善司
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合唱隊員(スエ・ストリッパー)橘由紀
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合唱隊員(エンコヅメ・コメディアン)野瀬哲男
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合唱隊員(サンズン・チンピラ)山西道広
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ヘレンの父親(運転手・照明係)熊倉一雄
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クリーニング屋主人(運転手・照明係)ハナ肇
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会社員(ヤクザ・ワタヤ助教授)美輪明宏