「 娘ジェーン(バーチ)が父親を殺して欲しいと依頼するところから始ま...」アメリカン・ビューティー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
娘ジェーン(バーチ)が父親を殺して欲しいと依頼するところから始ま...
娘ジェーン(バーチ)が父親を殺して欲しいと依頼するところから始まり、レスター(スペイシー)が「1年後に死ぬ」とナレーションを入れる。家族には人生の負け犬と思われていて、いきなりリストラの憂き目に・・・
チアガールをやってる娘のセクシーな友人アンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)に一目惚れするレスター。娘を執拗にビデオに収める隣人のリッキー(ウェス・ベントリー)。妻は不動産ブローカーをする傍ら、不動産王のケリー(ピーター・ギャラガー)との不倫に励み、射撃の趣味を持つようになる。ジェーンはリッキーと親しくなるが、リッキーの父親(クリス・クーパー)は銃マニアでネオナチで偏屈なのだ。しかもかつてゲイであった自分を責め、息子にゲイ疑惑があると激怒する。そうでなくても盗撮、麻薬、陸軍学校の放校も気に入らない。
「筋肉がついたらレスターと寝たい」とアンジェラが言ったのを盗み聞きして、筋トレを始めたり、真っ赤なバラのCGによって彼女を妄想するシーンが印象的。ジェーンはベビーシッターで貯金して豊胸手術を受けるのが夢だった・・・が、かなりボインちゃんのソーラ・バーチ。
ハンバーガーショップで働くこととなったレスターは妻の不倫を目撃。いくら見せかけの夫婦でも慰謝料を取られるのはバカらしいと考える妻。娘はリッキーに父親を殺してと頼み、隣人フィッツはレスターとリッキーの関係を疑う・・・コミカルなようで深刻でもあり、崩壊しつつある典型的なアメリカの家族をシニカルに描いていた。
最後には「誰がレスターを殺すのか?」というサスペンスめいた展開と「この世は美しい」と死の直前に走馬灯のように過去を振り返る哲学的とも言えるエンディング。音楽も70年代のサウンド中心に楽しませてくれた。