劇場公開日 1968年10月12日

「主人公の寺田豊の唐突な感じがとてもコミカル」肉弾(1968) M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0主人公の寺田豊の唐突な感じがとてもコミカル

2023年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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監督・脚本の岡本喜八の動員学徒、幹部候補生の実体験がもとになった戦争映画という。
といっても戦争のシーンはなく、陸軍の理不尽な扱いや本土決戦に向けての特攻隊の訓練、出陣前の兵隊の様子などを断片的に描いている。
若い女性(大谷直子)との淡い恋心も出てくる。

主人公の寺田豊の唐突な感じがとてもコミカル。自分を失わないものの、特攻への訓練にがむしゃらに取り組む。
皇国日本。その結果、主人公はどこに向うのか。

オムニバス的でニヤリするところもある。多くの若者を死にやる戦争の愚かさ。それをストレートに表現する訳ではないが、今の時代から見ると、主人公の真剣さが逆に可笑しくもみえる。

この時代の映画からは、俳優の生々しい迫力が伝わってくる。かっこよく見せるというのではなく、さらけ出しているから迫力がある。

@広島市映像文化ライブラリー

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M.Joe