「今村昌平監督の直球」にあんちゃん　La Stradaさんの映画レビュー（感想・評価）

「さようなら昭和百年特集」にて鑑賞

　昭和二十年代の九州の炭鉱街で、両親を亡くした４人の子供たちが貧しさの中で生き抜こうとする実際の日記「にあんちゃん」の今村昌平監督による映画化作です。

　貧困・労働争議・在日コリアと、僕の記憶にも僅かに残る敗戦の残滓が眼前に生々しく広がります。恐らく当時は日本中にこんな土地があり、人々が居たんだろうな。セットやCGでは作り得ない時代の匂いが確かに映し込まれていました。また、この時代の今村昌平監督はこんなストレートな作品も撮っていたんだなと言うのが少し意外でした。