楢山節考(1958)のレビュー・感想・評価
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生きる事とはこういう事と思わせられる
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・母親が最初から、来年には山にっていう話を朗らかに語る姿がとても苦しい。息子の辰平もずっと聞きたくない言葉を聞いて耐える姿がつらい。けれど、そうしなければ家族全員が飢え死にするという…生きる事ってこういう事なんだろうなと考えさせられる。そこにきて息子?の浅はかな感じがとても腹が立ってくる。後妻さんがとてもいい人なのが気持ちを救われる。
・全編セットを組んでの撮影っぽくて圧倒される。カラスも室内で放してったぽいし。遠景が描かれたパネルにぶつかっていたし。
・村で盗みを働いた一家を断絶させる感覚とかが恐ろしい。とはいえ、自分もそういう見方で人をみていなくはないので、わからなくもない。好きな人の友達が嫌な人だったら何となく嫌な人に見えてきたり、その逆もあったりと関係性で判断してしまっているという感覚の延長というか…。
・やっぱり、一番きついのはラストの姥捨てにいくシーン。幾人もの人達がここでっていうのを証明する散乱した骨がきつい。村の決まりを決まりに従って説明するシーンから重たい。道中、しゃべらないとか、母親はそれをしっかり守ってしゃべらない一方、息子は今生の別れ、といっても見殺しにしにいくようなものだからその罪悪感を薄めようと語り掛ける。その感じがつらい。最後の最後に今姨捨駅のカットが入り実際に日本であったことっていうのを強く感じさせられて、また考えさせられる。
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