劇場公開日 1958年6月1日

「過酷な物語を俯瞰の世界から見つめた作品、だから響かない人には響かない」楢山節考(1958) 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5過酷な物語を俯瞰の世界から見つめた作品、だから響かない人には響かない

2025年5月5日
PCから投稿

幕が上がる。

木下恵介監督
作品ごとに表現を変える。
作り手として怖いはず。
それでもやった。

まず「舞台を見よ」
人は舞台を前にする。
その覚悟で鑑賞させる。

貧しい農村の貧しい一家
明日の糧も明るくは無い。
ある一定の老人は山へゆく。
母を捨てに行かねばならない男、
その悲しみ、当たり前さが怖い。
どん底の気分になる。

「子供達には迷惑はかけられない」
今も高齢者に通じる精神として
架空では済ませられない物語。

この映画には距離がある
舞台と客席の距離がある
まずは貴方が考えなさい
監督は客観的に表現した。

流石と思う。

星組