夏の庭 The Friendsのレビュー・感想・評価
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評価が難しい
原作とかなり違う展開で、ここを省くのか、変えるのかというジレンマはかなり感じた
種苗屋、花火、そしてサッカーの合宿など、キーになる原作のシーンがすべて変更割愛されていたので、肩透かし感は否めない
まあでも原作読んでなければ、そういう作品として観ればいいだけなんだけど
三國連太郎はさすが
息遣い、台詞回し、表情、伊達に昭和の大俳優ではない
さらに、今の佐藤浩市にそっくりで驚く
子役3人も素晴らしい演技
まるで原作から抜け出したかのよう
原作と全く違う役の戸田菜穂は、まだ演技にわざとらしさのある時期で物足りなかった
もう少し上のランクの映画に仕上げられたであろうと思うだけに残念
夏の日のリノベーション
正直、最初は乗り切れなかった。
軽いイジメのような山下への絡みや、人の死への態度が小6とはいえ受け付けない。(特に河辺)
それが洗濯や草取りを文句も言わず手伝うあたりから、印象が変わる。
庭からはじまり家までまるごと綺麗にしていく様子は、大規模な秘密基地づくりのよう。
当初の目的はどこへやら、友人のようになっていく3人と喜八にこちらも笑顔に。
男子ふたりどころか女子まで追い返すのは、照れやカッコつけか、単純に男同士の楽しみだからか。
喜八の戦争体験は明確な転換点となっており、台詞のみなのも雰囲気の繋ぎとして適切。
弥生さんの発見と後藤先生との関係はご都合主義だが、まぁアリ。
戦争からの生還や血縁の流れなどで、生と死というテーマが再浮上してくる。
喜八の死は予想通りだが、スーツで出掛けた姿には髭もあったので、あのカットは解釈が分かれそう。
必死に呼びかける3人の姿と、弥生さんの「お帰りなさいまし」には涙腺が緩んだ。
3人はまだ死というものを理解したとは言い難いが、そもそも自分だって目を逸らしながら生きている。
彼らにとって確実に、向き合うキッカケにはなったろう。
最後に木山だけ別方向に帰ったのは何を示すのか。
コスモスの庭も明らかに広くなってたし、あのカットの時点で既に家の老朽化が進んでいた。
色々な捉え方が出来そうなラストだ。
ただ、病院でのホラー演出だけは余計だったなぁ。
名前しか知らなかった三國連太郎の、歩き方などの“老い”の芝居がとてもよかった。
合ってるとは思えなかったが、エンディングがZARDだったのは何処となく感慨深い。
まだ飲み込めてはいないが、何かが胸に残っている。
ひと夏の輝いている日々。少年たちと三国廉太郎、淡島千景、戸田菜穂らの好演。
ひと夏の老人と子供4人の心の交流。
そのシーンの一つ一つが輝いてます。
戦争の影と心に残した大きな傷を負った老人。
その妻との感動のドラマ。
戸田菜穂のデビュー作でもあり、ファーストカットでもあった、綺麗な虹のセリフがいい。
何回ものリテイクを重ねただけのことはあります。
夏の庭を象徴するコスモスの花畑も美しい。
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