劇場公開日 1980年7月26日

「ハートスランプふたりぼっち」翔んだカップル 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ハートスランプふたりぼっち

2021年11月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

原作既読
原作は『特命係長只野仁』の柳沢きみお
柳沢きみおのアシスタントが村生ミオ
村生ミオのアシスタントが遠山光
遠山光の姪が遠山えま
流れ的になるほどなって腑に落ちる

80年公開作品だが鑑賞したのは82年にVHSが販売され83年に劇場公開されたディレクターズカット版
薬師丸ひろ子が学業優先で休業中ということもあり『ラブコールHIROKOオリジナル版』と銘打っている

相米慎二監督デビュー作
薬師丸ひろ子鶴見慎吾初主演映画
石原真理子映画初出演
今から40年前の作品ということもあり当たり前だがみんな若い!
初々しい
わりと相米慎二監督は演技経験がそれほど豊富ではない俳優を中心に映画を撮る傾向があるがそれはデビュー作から早くも出ている
プロデューサーの証言によると冒頭脚本では勇介が地方から上京してくるシーンが長々とあったらしいがバッサリとカットして撮影すらしていないそうでそこは相米慎二監督らしくないと言っていた

脚本は『野獣死すべし』『晴れ、ときどき殺人』『紳士同盟』『いつかギラギラする日』『REX 恐竜物語』『犬、走る DOG RACE』『走れ!イチロー』『凶気の桜』『鳶がクルリと』『カメレオン』『一度も撃ってません 』の丸山昇一

九州から東京の高校に進学した田代勇介
留守中の叔父夫婦の自宅を間借りすることに
家賃で小遣いを稼ごうと男の同居人を不動産会社に依頼したが入居してきたのはクラスメートの女子山葉圭だった
彼女も地方出身者で礼金敷金を払ってしまい殆どすっからかんで勇介は仕方がなく同居を受け入れることに
高校生2人の同棲生活が始まった
甘酸っぱい青春ラブコメディー
2人のやりとりというか言葉遊びが楽しい
ちょっとエッチな展開が期待できそうだが肉と肉がぶつかり合うドスケベなシーンは一切ない
プロレスの技をかけるところからああいう展開はそのままうまくいくかどうか別としてその手があったか上手いなと感心した

勇介はボクシング部に入部
圭はテニス部

尾身としのりも石原真理子も劇中で眼鏡をかけていたが石原真理子は途中から眼鏡をかけなくなった

石原真理子演じる杉村秋美も勇介に想いを寄せる三角関係
三角関係どころか2マタ3マタ当たり前
バーの娘と朝を迎える勇介はわりと女の子にモテる

田代も山葉も杉原も高校生なのに親は一人暮らしOKの方針ってありえないがそれは作品を楽しむうえで野暮ってもんだろう
とにかく親がでしゃばる韓国の作品だとなかなか無いような設定
太古の昔からポリコレ棒を振り回すムラ社会の日本だがそんな社会に反発する左翼が多い芸能界らしい産物である

やっぱり薬師丸ひろ子って物真似みたいに「エヘヘ」って笑うんだね
デニムのオーバーオール姿が可愛い
自転車でゴミ集積所に突撃する本当の体当たり演技

そのほか印象的なシーンは徐行しているとはいえクルマが行き交う路上で座り込む尾身としのり

本編スタートからオープニングロール
エンドロール無し
なんか尻切れトンボの感あり
デビュー作とはいえ物足りない
いい意味でも悪い意味でも青臭い作品

興味があるなら古本屋のチェーン店かスマホで原作を読もう

野川新栄