劇場公開日 1981年1月30日

「映画でよくある子どもの雑な扱い方のない、暖かすぎて尊い傑作」泥の河 ケシミンクリーム塗りながらオイルデルさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画でよくある子どもの雑な扱い方のない、暖かすぎて尊い傑作

今観終わりました。おいおい泣きました、こんなに胸打つ素晴らしい名作と出会えたことが嬉しいです。なぜ戦後の香り残る痛ましい風景の小さなお話がこんなにも温かく美しいのでしょうか。

「子どもはなぁ、産まれてきとうて産まれてきたんやない。親選ぶわけにはいかんのや。」
子どもの心情を理解して描ける人こそ世の中や人間を最も達観しているのだと感じさせられました。
どんなに豊かで便利になろうともこんな優しさの中で育つ方が幸せだ。

「のぶちゃんはええ男やなぁ。 賢い子やなぁ。」
なぜだか子どもに暖かい人を見ると最近泣けてきます。こんな優しい声かけをする大人は、決まって傷ついた大人だからでしょうか。
どれだけさり気ない言葉でもそれは、人生経験の少ない子どもの人生を間違いなく左右する言葉なんです。

心の中に生き続ける作品に出会えました。

ケシミンクリーム塗りながらオイルデル