トラック野郎 御意見無用のレビュー・感想・評価
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中島ゆたかさんを偲んで
中島ゆたかさん
2025年11月27日に神奈川県の自宅にて大腸癌のため73歳で他界
1975年公開作品
U-NEXTで鑑賞
監督と脚本は『温泉スッポン芸者』『トラック野郎 爆走一番星』『トラック野郎 天下御免』『トラック野郎 男一匹桃次郎』『コータローまかりとおる!』鈴木則文
脚本は他に『トラック野郎 爆走一番星』『トラック野郎 望郷一番星』『トラック野郎 度胸一番星』『麻雀放浪記』『Wの悲劇』の澤井信一郎
トラック野郎シリーズ第一弾
シリアス路線の菅原文太コメディー初挑戦
当初は難色を示したらしいが後になってみれば英断
当時ソープランドはトルコ
子供の頃になぜか『俺の空』の単行本を読み疑問には思ったものだがネット社会の今では事情は既にわかっている
イスラム社会では穏健派のトルコだってそりゃ怒るわな
一番星が一目惚れしたマドンナ洋子を低予算と抗うためか取ってつけたようなキラキラ演出
千吉が人違いするのもわかる
京子が洋子以上に正統派美人だから
ディスるつもりはないが中島ゆたかはちょっとエキゾチックなクセがあるからな
一番星のライバル役の佐藤允の和製ブロンソンぶり全開
改めて見るとやはり凄い面構えだ
チョイ役の由利徹の叩かれた後のリアクションあの表情は天才的でこの映画作品で一番笑った
石巻が生んだ大スター由利徹永遠なれ
それにしても盛岡いくらなんでも田舎じゃないか
まあ今でも郊外はこんな感じかな
盛岡駅周辺と国道4号線沿い以外は
警察の交通課が目の敵なっている
一番星やジョナサンが生意気な警察官を次々と懲らしめているのが痛快だ
だからこそ一般大衆にウケたのだろう
配役
11トントラック運転手の「一番星」こと星桃次郎に菅原文太
4トントラックの運転手の「やまめのジョナサン」こと松下金造に愛川欽也
盛岡のドライブイン「くるまや」でウェイトレスをしている倉加野洋子に中島ゆたか
トラック運転手の「モナリザお京」こと竜崎京子に夏純子
青森出身で一番星を慕うトラックの運転手の万田千吉に湯原昌幸
ジョナサンの奥さんの「母ちゃん」こと松下君江に春川ますみ
モナリザお京の兄で九州のトラック運転手の「関門のドラゴン」こと竜崎勝に佐藤允
交通事故が原因で遠洋漁業の漁師に転向した元トラック運転手で洋子の恋人の松岡明に夏夕介
乗用車の運転手に石橋正次
ヤクザ風の男に黒田征太郎
人形の警官と間違われて叩かれる本物の警官の正田に由利徹
一番星とジョナサンを警察署で叱る署長に小松方正
トラックショップ店主に南利明
トラック運転手の「さすらいの童貞」こと張摩良治に鈴木ヒロミツ
トラック運転手の岩村五郎に誠直也
一番星らとトラブルを起こすトラック運転手の柴田に安岡力也
警官に大泉滉
花屋の主人に谷村昌彦
ウェイトレスの高木トモ子に小坂知子
ウェイトレスの丸井ミドリに佐々木梨里
トルコ嬢からジャリパンに転向したリリィに芹明香
トルコ嬢のテル美に叶優子
トルコ嬢のイサ美に城恵美
トルコ嬢のナオ美に相川圭子
警官に高月忠
警察次長に大木伍郎
松下夫婦の長男の松下幸之助に梅地徳彦
松下夫婦の次男の松下幸次郎に梅津昭典
松下夫婦の長女の松下美智子に白取雅子
松下夫婦夫婦の次女に松下華子に菊地優子
松下夫婦の三男の松下幸三郎に大久保純
松下夫婦の三女の松下サヤ子に鈴木照江
親がいない幼い少女で松下家の養子になる寺山(松下)由美に角所由美
松下夫婦の四男の松下幸四郎に一条寛之
由美の亡くなった父親の知人の土田に井上昭文
くるまやの主人で調理師の坂本マツに山本緑
看護婦に村松美枝子
看護婦に杉井恵子
ジャリパンのアケ美に浜えりな
ジャリパンのマス美に鏡レオ
ヤクザ風の男に司祐介
ヤクザ風の男に幸英二
過積載を咎められ土下座する運転手に宮崎靖男
トラック運転手の小松虎男に佐藤晟也
トラック運転手の山上武に祝真一
トラック運転手に清水照夫
トラック運転手に相馬剛三
トラック運転手に三上良
トラック運転手に比良元高
トラック運転手に山浦栄
トラック運転手に五野上力
トラック運転手に泉福之助
ガソリンスタンド従業員に宇崎竜童
ガソリンスタンド従業員に和田静男
ガソリンスタンド従業員に新井武士
ガソリンスタンド従業員に相原誠
トラック運転手に宮地謙吾
トラック運転手に佐川二郎
トラック運転手に畑中猛重
トラック運転手に美原亮
トラック運転手に高野隆志
トラック運転手に斉藤春元
【”恋を再び実らせる爆走トラック。”トラック野郎の漢気、恋愛、コメディを絶妙に絡ませたエンターテインメント作品。夏純子さん、中島ゆたかさんって誰ですか?とっても魅力的なんだけど!】
ー えーっと、恥ずかしながらトラック野郎シリーズ初鑑賞である。
だって、年代的に観てないんだもん。
それにしても、星桃次郎を演じる菅原文太さんの、マドンナ(中島ゆたか)と会った時の、それまで”俺”と言っていたのが、イキナリ”僕、珈琲。お腹が空いていないので。”は、今までのイメージと違ってビックリしたなあ。
けれども、キチンと決める時には決める星桃次郎。
マドンナを、愛する男のところまで、追って来るパトロールカーを幅寄せして、ドンドン蹴散らして送ってあげて、その後黙って走り去る所は、スカッとし、漢気溢れるシーンで有ったなあ。ー
<それにしても、最近デコレーショントラックって見なくなったなあ。ケーサツの取り締まりがキビシーのかな。
違法改造だけれども、”日本一”とか”問答無用”とか”男一匹”とが、ガンガンにデコレーションして、カラフルな彩色を施して突っ走るのは、格好良かったけどなあ。
積み荷の中身を抜かれると、我社としても困りますが・・。>
痛快!昭和人情馬鹿男達と粋な女達の浪花節
単なる、がさつで下世話なお話ではなく、 時代背景をしっかりと押さえて反映させてあります
1975年公開、1979年まで続いた大人気シリーズ
たった4年で第10作も製作された
というか、もっともっと続いて80年代の後半まで毎年盆暮れに上映されてたくらいに思いこんでました
それくらい存在感のあるシリーズ
洋画のコンボイは1978年
そちらの方が後だったことを、改めて知ってびっくりです
本作の方が元祖だったのです
改めて観て、良くできていると感嘆しました
なる程大人気のシリーズになるわけです
単なる、がさつで下世話なお話ではないのです
時代背景をしっかりと押さえて反映させてあるのです
60年代の道路事情は、1962年の石原裕次郎主演の「憎いあンちくしょう」にある通り、主要な幹線国道といえど劣悪なものでした
それが高速道路網が急速に整備され、東名、名神は60年代の末には全通し、山陽道、東北道も建設が進んでいたのです
一般道も主要幹線国道は舗装され拡幅され車線も広がっていったのもこの頃です
トラックでの物流網が出来ようとする、まさにその黎明期だったのです
今では高速道路を走れば11トン車が盛んに行き交う光景は当たり前になりました
反面、電飾トラックを見かけるのは希になってきました
一番星やジョナサンのような個人事業者は減り、立派な物流会社のスキッリした横文字のロゴの入ったトラックばかりです
オイルショックのインパクトがこの流れを決定づけたと思います
それにより、輸出産業主体、重厚長大産業主体の産業構造から、内需主体の産業構造に日本は大きく変化を余儀なくされたのです
それが鉄道や内航船の物流から、トラック主体の物流に変革をもたらしたのです
物流のトラック化がオイルショック以後の日本の繁栄を支えたと言って過言ではないと思います
そして世代と弱者への目線です
一番星とジョナサンは共に40歳前半
高度成長期をもたらしてくれた世代です
しかし誰もが大きな会社に入って、スーツを着て働くわけではないのです
様々な理由で現場で汗をかいて働く人もいるのです
そういう人が有って社会は成り立っているのです
特にジョナサンの何をやっても駄目な男の千吉への視線は優しいのです
高度成長期を駆け上った人々も人生の先が見えてきた頃であったのです
そして団塊の世代も就職をして、数年現場でふるいにかけられて、すでにつまずいた人も出始めた頃です
経済はオイルショックという、現代のリーマンショックにも匹敵する大不況に陥っていたのです
ジョナサンは自分もそうであることを自覚もして、他者にも優しいのです
その人々に負け組とか、敗残者というような目線は、本作には金輪際ありません
彼らと同じ目線で一緒になり、泣いたり笑ったり、怒ったりするのです
だからこそ時代を反映していたのです
それが大ヒットシリーズになった理由なのだと思います
今物流業界はコロナ禍以前から、超人手不足でトラックドライバーが不足しています
特に一番星のような11トンの長距離ドライバーが圧倒的に足りません
なのでいろんな業界で共同配送とかの取り組みが進んでいます
理由はドライバーの高齢化です
一番星やジョナサンはもう80歳台の後半です
もうとっくの昔に引退しています
その下の団塊世代のトラックドライバーももう65歳を超えて70歳になろうとして、もう流石に無理です
その下の世代は人数が少ない上に、家族と毎日過ごせない仕事を嫌って長距離ドライバーにはなってくれないのです
その上、今のドライバーは何からなにまでシステムでがんじがらめなのです
ジャストインタイムというのはドライバーのストレスによって維持されているのです
タコメーター、GPSで常に会社に監視されているのです
危険運転や荷抜きなんかできる訳もありません
今の長距離ドライバーの人は本作を観て何をおもうのでしょうか?
このような自由は、失われた西部劇のような世界なのかもしれません
高速道路のネットワークができるとともに、本シリーズも終わっていったのは必然だったのかも知れません
本作の主要な舞台になる盛岡のドライブインの店名「くるまや」
寅さんの柴又の団子屋が「とらや」から「くるまや」に変わるのは1988年の第40作のサラダ記念日からですのですから、全く関係ないようです
それでも、ジョナサンの腹巻きは何故か虎縞
うっすらと挑戦状にみえます
やもめのジョナサンとは、もちろん「かもめのジョナサン」のもじり
1970年米国で出版され1972年の夏頃からにわかに大ベストセラーになった小説のタイトル
日本でも本作の前年1974年に五木寛之の訳でベストセラーというかブームになったものです
内容は群れない1羽のかもめのお話です
そこがヒッピーに受けたようです
テーマは本作にもつながってもいます
隠れた名作!無名の名監督です。
素晴らしい!の一言です。
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