トラック野郎 御意見無用のレビュー・感想・評価
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【”恋を再び実らせる爆走トラック。”トラック野郎の漢気、恋愛、コメディを絶妙に絡ませたエンターテインメント作品。夏純子さん、中島ゆたかさんって誰ですか?とっても魅力的なんだけど!】
ー えーっと、恥ずかしながらトラック野郎シリーズ初鑑賞である。
だって、年代的に観てないんだもん。
それにしても、星桃次郎を演じる菅原文太さんの、マドンナ(中島ゆたか)と会った時の、それまで”俺”と言っていたのが、イキナリ”僕、珈琲。お腹が空いていないので。”は、今までのイメージと違ってビックリしたなあ。
けれども、キチンと決める時には決める星桃次郎。
マドンナを、愛する男のところまで、追って来るパトロールカーを幅寄せして、ドンドン蹴散らして送ってあげて、その後黙って走り去る所は、スカッとし、漢気溢れるシーンで有ったなあ。ー
<それにしても、最近デコレーショントラックって見なくなったなあ。ケーサツの取り締まりがキビシーのかな。
違法改造だけれども、”日本一”とか”問答無用”とか”男一匹”とが、ガンガンにデコレーションして、カラフルな彩色を施して突っ走るのは、格好良かったけどなあ。
積み荷の中身を抜かれると、我社としても困りますが・・。>
痛快!昭和人情馬鹿男達と粋な女達の浪花節
今では「不適切な表現」のオンパレード!
面と向かって喧嘩もできずに陰口と誹謗中傷が溢れる令和のコンプライアンスがんじがらめ時代の今こそ本シリーズや「男はつらいよ」シリーズを観てスッキリしましょう⤴︎
要領良くスマートに生きるだけの“カッコ悪さ“と
やせ我慢バカ男の“カッコよさ“を
再認識しますねっ
「男はつらいよ」同様、「くるまや」の連中
みんなイイ奴最高です♪
冒頭の警官由利徹のシーンも最高です♪
単なる、がさつで下世話なお話ではなく、 時代背景をしっかりと押さえて反映させてあります
1975年公開、1979年まで続いた大人気シリーズ
たった4年で第10作も製作された
というか、もっともっと続いて80年代の後半まで毎年盆暮れに上映されてたくらいに思いこんでました
それくらい存在感のあるシリーズ
洋画のコンボイは1978年
そちらの方が後だったことを、改めて知ってびっくりです
本作の方が元祖だったのです
改めて観て、良くできていると感嘆しました
なる程大人気のシリーズになるわけです
単なる、がさつで下世話なお話ではないのです
時代背景をしっかりと押さえて反映させてあるのです
60年代の道路事情は、1962年の石原裕次郎主演の「憎いあンちくしょう」にある通り、主要な幹線国道といえど劣悪なものでした
それが高速道路網が急速に整備され、東名、名神は60年代の末には全通し、山陽道、東北道も建設が進んでいたのです
一般道も主要幹線国道は舗装され拡幅され車線も広がっていったのもこの頃です
トラックでの物流網が出来ようとする、まさにその黎明期だったのです
今では高速道路を走れば11トン車が盛んに行き交う光景は当たり前になりました
反面、電飾トラックを見かけるのは希になってきました
一番星やジョナサンのような個人事業者は減り、立派な物流会社のスキッリした横文字のロゴの入ったトラックばかりです
オイルショックのインパクトがこの流れを決定づけたと思います
それにより、輸出産業主体、重厚長大産業主体の産業構造から、内需主体の産業構造に日本は大きく変化を余儀なくされたのです
それが鉄道や内航船の物流から、トラック主体の物流に変革をもたらしたのです
物流のトラック化がオイルショック以後の日本の繁栄を支えたと言って過言ではないと思います
そして世代と弱者への目線です
一番星とジョナサンは共に40歳前半
高度成長期をもたらしてくれた世代です
しかし誰もが大きな会社に入って、スーツを着て働くわけではないのです
様々な理由で現場で汗をかいて働く人もいるのです
そういう人が有って社会は成り立っているのです
特にジョナサンの何をやっても駄目な男の千吉への視線は優しいのです
高度成長期を駆け上った人々も人生の先が見えてきた頃であったのです
そして団塊の世代も就職をして、数年現場でふるいにかけられて、すでにつまずいた人も出始めた頃です
経済はオイルショックという、現代のリーマンショックにも匹敵する大不況に陥っていたのです
ジョナサンは自分もそうであることを自覚もして、他者にも優しいのです
その人々に負け組とか、敗残者というような目線は、本作には金輪際ありません
彼らと同じ目線で一緒になり、泣いたり笑ったり、怒ったりするのです
だからこそ時代を反映していたのです
それが大ヒットシリーズになった理由なのだと思います
今物流業界はコロナ禍以前から、超人手不足でトラックドライバーが不足しています
特に一番星のような11トンの長距離ドライバーが圧倒的に足りません
なのでいろんな業界で共同配送とかの取り組みが進んでいます
理由はドライバーの高齢化です
一番星やジョナサンはもう80歳台の後半です
もうとっくの昔に引退しています
その下の団塊世代のトラックドライバーももう65歳を超えて70歳になろうとして、もう流石に無理です
その下の世代は人数が少ない上に、家族と毎日過ごせない仕事を嫌って長距離ドライバーにはなってくれないのです
その上、今のドライバーは何からなにまでシステムでがんじがらめなのです
ジャストインタイムというのはドライバーのストレスによって維持されているのです
タコメーター、GPSで常に会社に監視されているのです
危険運転や荷抜きなんかできる訳もありません
今の長距離ドライバーの人は本作を観て何をおもうのでしょうか?
このような自由は、失われた西部劇のような世界なのかもしれません
高速道路のネットワークができるとともに、本シリーズも終わっていったのは必然だったのかも知れません
本作の主要な舞台になる盛岡のドライブインの店名「くるまや」
寅さんの柴又の団子屋が「とらや」から「くるまや」に変わるのは1988年の第40作のサラダ記念日からですのですから、全く関係ないようです
それでも、ジョナサンの腹巻きは何故か虎縞
うっすらと挑戦状にみえます
やもめのジョナサンとは、もちろん「かもめのジョナサン」のもじり
1970年米国で出版され1972年の夏頃からにわかに大ベストセラーになった小説のタイトル
日本でも本作の前年1974年に五木寛之の訳でベストセラーというかブームになったものです
内容は群れない1羽のかもめのお話です
そこがヒッピーに受けたようです
テーマは本作にもつながってもいます
隠れた名作!無名の名監督です。
鈴木則文という監督の名前を知っている人は本のひとにぎりだと思いますが隠れた名監督だと思います。
この作品はギャグのなかに人生の深みが織り込まれていて名作だと言えます。
私はこの作品をみて鈴木則文監督に興味をもちました。そしてレンタルビデオで探しまくって見まくりました。この人は本当にやっつけで数多くの映画をバンバン作っています。それだけに外れが多いのですが、もしじっくり造るタイプの人だったら黒澤さんなみに有名になっていてと思います。
素晴らしい!の一言です。
確かに今観ると少し下品かもだけど菅原文太の演技には圧巻です。演技に力があると言うかエネルギーを感じる。眼力も半端ない。全身全霊で演技してるって感じです。ストーリーはほんと毎回同じ転回だがそれがまた作品を良くしてる。菅原文太とキャラがピッタリ合ってるのはきっと菅原文太の演技力だと思う。これを観ちゃうと今はこれだけのエネルギーを出す俳優は居ないような気がする。
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