「旅芸人一座の最後の公演の面白さ・素晴らしさと、爽やかなロマンス」峠を渡る若い風 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
旅芸人一座の最後の公演の面白さ・素晴らしさと、爽やかなロマンス
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和田浩治と清水まゆみが主演の日活1961年作品。監督は鈴木清順。旅をする学生役の和田浩治は石原裕次郎そっくりの容貌だが、あっけんからんとした明るさで、なかなか良い味を出していた。学生が慣れぬ行商をしている時見事な口上で売り捌いたのが金子信雄の健さんで、喧嘩の立ち回りも見事で印象に残る好演。
途中まで、何てことはない平凡な映画に思えたが、旅芸人の一座の長、清水まゆみの父が水中縄抜けの術の練習であっさり亡くなってから、最後の公演を娘が行う決意をしてから、俄然面白くなる。あと学生が決闘をするが、その際、お祭りの赤い韓国?料理、さらに色とりどりのシチュー?で顔が染められお互い大笑いに至るシーンが、鮮やかで面白い。清順監督らしいシーンでもあった。
最後の一座の公演、マジックにお色気一杯のダンス、笑える演奏に本格的な歌唱も添えられていて、そのテンポ有る流れが素晴らしい。コミカルでアクロバット的、且つ音楽的にもイケてる演奏が凄かった。
主演2人のロマンスもあるが、キス一つしないでさっと別れるラストも清々しく、後味良い印象が余韻として残った。
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