劇場公開日 1975年7月12日

「今だったら色んな意味で炎上」東京湾炎上 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0今だったら色んな意味で炎上

2018年7月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

単純

興奮

『日本沈没』から続く、東宝特撮パニック映画の一作。
前々から見たいと気になってた本作。
やっと機会あって初鑑賞したのだけれど…

原油を満載した超大型タンカーがアフリカ諸国のテロリスト一味にシージャック。
鹿児島にあるコンビナートの爆破とTV中継を要求。
拒否すれば、タンカーを爆破させて東京湾を炎上させる…。

パニック映画と言うより、アクション映画。
話も面白味ある。

政府が取った秘策。それは…
鹿児島のコンビナートの爆破を特撮で撮り、それを本物の中継としてテロリストを欺く…というもの。
本物の映像として見せなければならない重要シーンなので、特撮はかなりのハイレベル。
爆破や精巧さは、迫真で見応えあり。

本編は、タンカー乗組員たちと政府とテロリスト一味の駆け引き。
息詰まるハラハラ、ドキドキ、スリリング!と言いたい所だが…
所々サスペンスが盛り上がった部分もあったが、全体通してみると、今一つ…。
サスペンスもアクションもちと緩い。
藤岡弘、が改造人間でなくともアクション・ヒーローとして戦うのかと思ったら、それほどでもなく…。
他の乗組員たちも果敢にテロリストに立ち向かってるように見えて、運が良かっただけ。
テロリストたちも威圧感に欠け、それに拍車をかけるのが、都合よく喋れる片言の日本語。
一応日本人という設定だが、水谷豊が黒塗りメイクでテロリストの一味という設定も無理がある。
テロリストたちの動機も(英語で)力説するも、全員が黒人で今だったら人種問題で叩かれそう。
政府の対応や偽爆破のからくりのバレ方も何だかお間抜け…。
テロリストたちもお決まりのように仲間割れ。
主人公たちも政府もテロリストたちも、生温い…。
それから、藤岡弘、演じる主人公と恋人のシーンは全カットしても良かった。
それ以上にカットして欲しかったのは、OPの歌謡曲…。

ハリウッドだったら…と、つい思ってしまった。
やはり昔も今も、日本ではこの手のパニック・アクションは不得意なのか…?
否!
同時期に『新幹線大爆破』という邦画史上屈指の傑作パニック・アクションがあり、出来ない事はない。
ただ、力量の問題。

近大
2018年7月18日

この映画は知りませんでした。
そしてこの頃のパニック映画にはいつも丹波哲郎。

巫女雷男