劇場公開日 1953年11月3日

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「人間の「生」」東京物語 ちゅーるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人間の「生」

2019年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

どんなに大切な人であっても、他のすべてより優先してその人との時間を過ごせるわけではない。
物語の中では、薄情だと思われることでも現実に生きているとそんなことは往々にしてある。
綺麗な心のまま大人になりたいという理想を静かに打ち砕くようなこの映画は、なかなか残酷だなと思った。

悪や正義のような対立はある領域においてはあるかもしれないが、「生」においてはヒーローも悪役もいない、ただ人が生きている時間がある。それは、尊いものである。

観る人によって様々な思いを抱く作品である。
観る人の年齢によっても感じ方が大きく違うのだろうなとも思える。
もう少し年をとった時、もう一度観た自分がどのように感じるのか楽しみである。

ちゅーる