劇場公開日 2021年11月5日

「やっぱりハンブルグにはビートルズを呼べない」アメリカの友人 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やっぱりハンブルグにはビートルズを呼べない

2020年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ♪Baby, you can drive my car♪などと口ずさむヨナタン(ブルーノ・ガンツ)が印象的。というか、運転してやれよ、マリアンヌ。この終盤の展開が、ちょっとわからない部分があって消化不良となるのですが、何故銃を隠した?とか、トムとの約束をなぜ破った?とか、あの家は誰の家?とか救急車の中の人物たちは?などと考えるのも野暮なんでしょうね~

 何も調べないで見てしまったのですが、『太陽がいっぱい』『リプリー』などの作品で知られる作家パトリシア・ハイスミスのトム・リプリーシリーズなのだそうだ。そう考えるとラストのシークエンスはいかにもフランス映画版『太陽がいっぱい』の雰囲気を醸し出していたな~などと感じてしまいます。

 そのトム・リプリーをデニス・ホッパーが演じ、ドイツ語読みのヨナタンを彼一人だけ“ジョナサン”と呼び続けていたこと、「友人にはなれないな」と言うヨナタンとは結局仲良くなっているし、それまでのサスペンスは一体何だったのだ?などとストーリーの落差にも驚いてしまう。そして、謎ばかりが残る・・・ミノの家が爆破されたとか、ミノがヨナタンを殺さなかった謎とか、どうも腑に落ちないのです。

 それでもドイツ、フランス、アメリカと、文化の違いなども上手く表現していたし、ヨナタンの息子ダニエルに与えていた幻灯機など映画愛にもあふれていたように思う。

kossy