「まさか映画館で再び鑑賞できるとは」東京裁判 ひろ702さんの映画レビュー(感想・評価)
まさか映画館で再び鑑賞できるとは
1983年に公開された映画「東京裁判」、私は当時大学生でしたが、観に行きました。2000年ごろレンタルビデオ店でたまたま見かけたのでVHSビデオで観ました。昨日観た本作は2019年にデジタルリマスター版として公開されたものです。史実としての「東京裁判」や「映画 東京裁判」の感想や研究と評価は既に多くの研究者や名前のある方がたくさん公刊 公開されているのでそれを読んでいただくことにして、この映画のおすすめポイントに絞って紹介します。
デジタルリマスター版では昭和天皇の「終戦の詔勅」の音声がクリアになり、字幕が付けられて意味も含めて非常にわかりやすくなったので必見だと思いました。
また、これはかなり有名な場面ですが最終論告の中でアメリカの検事が
「これら被告たちはニュルンベルグ裁判の一部の被告たちのようなならず者ではなく云々」と述べる件で「東條英機」氏が天井を見上げて涙を堪えて(ように見える)シーンです。
内容と全く関係ないところで私が刺さった所は28人の被告人をアルファベット順に並べると「荒木貞夫」氏が常に先頭になる訳ですが、色々不慣れな場面がMP(米軍人)も含めて再三あり、先頭の人は大変だなと思いました。(浅い感想ですいません。)
最後に気をつけて欲しいのは、一部の映画情報サイトではNetflixで配信されているようになっていますが、カナダで制作されたTVドラマのようです。(「ウェップ裁判長」や「パル判事」など判事団に焦点を当て、俳優が出演するドラマらしい)
追加です。前述の「荒木貞夫」氏のことです。アルファベット順で先頭である彼が不慣れな姿を後世に晒すのは、この東京裁判が英米の裁判のやり方に基づくものであり、今迄の日本からすると「あり得ない」「異様な」裁判であると監督の意図があって切り取ったのかな(今風に言うと)と思いました。
