「人間が躍動し、熱狂し、歓喜する」東京オリンピック chibirockさんの映画レビュー(感想・評価)
人間が躍動し、熱狂し、歓喜する
戦後の上り調子の時代に、東京で開催されたオリンピックの意義。
渾身を込めて存在をアピールしたニッポンを、渾身を込めて撮り上げた作品は、それを良く映し出しているなという印象。
通常、スポーツの映像には軽いアップテンポな音楽がつくけれど、それこそ殺人事件ドラマのような重いBGMは、選手たちが積み上げてきた苦労、努力を滲み出させるよう。
射撃シーンは完全無音で、ここで感じるのは、集中力。
音楽の使い方が本当に面白い。
どこか、普通の日本人観客の目線ぽく、異国から来た見慣れぬ外国人のモリモリとした身体を凝視するように、躍動する選手をフォーカスするかと思えば、たった2人だけでやってきたアフリカの選手をちょっと掘り下げてみたり、ニッポン、ニッポンではなくオリンピックというイベントを、幅広くかつ独特の視点で見せている。
あの当時のオリンピックの意味とは、日本人だけではなく、参加国すべての人達に大きな意味があったのだろうなと、最後のごちゃまぜになって歓喜する閉会式のシーンを見て、思うのでした。
わたしは東京オリンピック公園で遊んで育ちましたが、東京オリンピック自体は経験していない世代です。
あの熱狂を生で感じたかったなあ。
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