劇場公開日 1982年7月10日

「社会現象化を目指すも」伝説巨神イデオン 接触篇 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 社会現象化を目指すも

2025年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これは映画単体としてはまったく評価できない。監督である富野氏も発言しているが、『発動編』を発表するための方便として存在するのだ。つまり、テレビシリーズを見ていなかった人に向けてのガイドとして作られた、つなぎの映画。あえて言うなら、テレビシリーズのファンでもなく、『ガンダム』の夢よもう一度という無関心な一般層に向けて一人でも多く見てもらうためにある。

テレビシリーズの再編集版なので、わずかな増補を除いては新作部分もなし。今となっては、1話から全部見直す余裕のない人が、軽く思い出すのに便利かなというほどの存在意義だろうか。

とにかくアニメ史上に存在する奇跡のクオリティの『発動編』の製作されたいきさつを理解しなければ、この映画を見る意味は一つもない。

打ち切りとなったテレビシリーズの補完、完結編として、主に作画クルーの執念が実った『発動編』。これは、玩具メーカーの思惑もあって、テレビでは出来ないと判断されたのだろう。のちに、『エヴァンゲリオン』でも同様のプロモーションが展開され、その時に『イデオン』の話題がよく取り上げられた。

社会現象になることを意識して制作される映画が不発に終わると、このような閉じたマーケットでお祭り騒ぎしている印象を強調されるのだろう。

うそつきかもめ