天国の大罪のレビュー・感想・評価
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子供を産んで、普通の幸せな家庭が欲しい 映画の役だけでない、吉永小百合本人のその渇望だけは伝わってきました
1992年10月公開
ついにバブルがはじけ始めた頃の作品
しかしまだバブル景気のままの意識で撮られています
無駄に予算がかけられて、海外ロケまであります
内容も、バブル景気が続き世界中から外国人が吸い寄せられ、モスキート街と呼ばれるカオス化した外国人街のある数年程度先の東京が舞台です
しかしバブル景気が続いていくという前提なのに、その映像はバブル崩壊後の新宿を先取りしているようにも見えるのです
モスキート街の光景は歌舞伎町を多少誇張した程度のブレード・ランナーを意識した映像になっています
本作の一番の、というか唯一の収穫はそれでした
冒頭、いきなり吉永小百合のベッドシーンです
お話も彼女は検事で、麻薬絡みの犯罪ものです
同僚検事との不倫、認知されない子供の出産、外国人ギャングの親分の情婦とどんどん転落していきます
終盤には拳銃を撃ち、車で殺し屋を轢き殺します
こんな吉永小百合の映画はありません
びっくりです
しかしそれを吉永小百合がしてどういう意味があるのか?という疑問が残るのです
全く似合っていませんし、それを敢えてやる意義も無いとしか思えません
ただ、家族をもちたい
子供を産んで、普通の幸せな家庭が欲しい
映画の役だけでない、吉永小百合本人のその渇望だけは伝わってきました
それが本作のテーマだったとしか思えません
世界の名優オマー・シャリフにはもったいない映画です
申し訳ない気持ちになってしまいました
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