「タイトルなし(ネタバレ)」アメリカの影 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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米国ニューヨーク、マンハッタンに暮らす三人の黒人きょうだい。
長兄のヒュー(ヒュー・ハード)はクラブ廻りの売れない歌手。
弟ベン(ベン・カラザース)と妹レリア(レリア・ゴルドーニ)には白人との混血で、特にレリアは一見、白人娘にみえる。
そのことが悲劇を生む。
レリアは、あるパーティで白人青年トニーと知り合い、惹かれ合ったふたりは夜を共にする。
レリアを彼女のアパートメントまで送っていった際に、トニーはヒューと出くわし、レリアが黒人だったことにショックを受けるとともに、ヒューから口汚く罵られてしまう・・・
といった物語。
即興演出で撮られた本作は、ゴダールの『勝手にしやがれ』より早い(か同時期)。
仏ヌーベルバーグに対してのアメリカン・ニューウェーブ。
(アメリカン・ニュー・シネマは、大手スタジオの作品が多く、ヌーベルバーグと比べるのは乱暴ともいえる)
人種問題を中心に、当時の黒人の生活を生き生きと捉えるが、カメラ位置やショットの繋ぎなど、技術は相当ぎこちない。
新鮮な新しさに目が奪われるが、エピソード終わりはフェードアウト、エピソード中の時間経過はオーバーラップと、文法は古典的。
新しさと従前どおりのギャップがおもしろい。
米国インディペンデンス映画の最重要作品。
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