劇場公開日 1974年12月28日

「雛壇流し」田園に死す Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0雛壇流し

2025年2月12日
iPhoneアプリから投稿

若い時分に見た記憶がある。そりゃあ素っ裸の女性に少年が犯される話であればトラウマにもなる。数多くの絵が鮮烈に蘇ってくる。ラストもそうだ。中身は記憶にもなく、訳の分からなかったのだろう。改めて見てみると、訳の分からなさが溢れるに変わらぬが、本筋自体は結構読み込みやすく、なるほど過去の記憶など確かに滲んんだ絵画のようなもので、確かに夢と大差ないものかもしれない。
鈴木清順もそうであるが、やはりこの手の絵作りは記憶に焼きつくものだ。それ以上に今回感心したのは音楽の方で映像と見事に調和しており、グルーブも感じられる。
ラストはアルタ前。といってもアルタは未だ誕生しておらず二幸とある。そんなアルタは今月末に閉館する。見事なラストショットへの繋ぎであるが、別の意味で興味深く見入ってしまう。

Kj