劇場公開日 1974年12月28日

「ファッションサイコ感が若干あざといけど」田園に死す たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ファッションサイコ感が若干あざといけど

2020年9月4日
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鑑賞方法:VOD

笑える

知的

難しい

好みは別れるとしても1回は見るべき映画だと思います。
当時として実験的要素が盛り込まれ
前衛的映画の代表作的立ち位置だろうと感じます。

ただし、これが この手の映画の完成形なのかと言えばそうでは無いだろうとも思う。
初めての試みなのだから、突然完成する訳は無いのは当然だが、やはりどこか物足りない。

僕はこの映画は全然好みなのは間違いないのだが、何かが引っ掛かってならない。

例えて言うならば
本当におかしな人は自分が周りと比べて、おかしい人間だとは気づかないし、気づけない。
寺山修司は自分は人とは違う事をやりたい
おかしな人間なのだと必死にアピールしているような演出に固執し過ぎたように思う。
根っこが真面目で真人間なのだろう。

その作られた狂気の歯がゆさや
狂人を演じる孤独者が出す薄ら寒さがどうしても気になってしまう。
僕もそういう寒い人間側だからだと思うが笑

この映画が切り開いた糸口を更に進化させて完成形まで昇華させる監督が出てくる事を期待しています。

たまねぎ なきお