「映像の迫力」鉄男 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
映像の迫力
体の一部からネジが出てきて、痛みと恐怖を覚える。この辺までは主役の男に共感を感じるけど、事態はエスカレートしていき、やがて妄想と区別が付かない領域に入っていく。
おそらく、見る人の解釈にゆだねたほうが、共感を得られると考えた結果なのだろうし、金属に肉体が侵食されていくというストーリーに合理的な結末などありそうにもない。「おとぎ話」として落とすしかない話を、アートで解決しようとすればこうなる。という失敗例のように感じた。
ただし、映像の斬新さと迫力だけは色あせない。限られた人数と予算で、このクオリティを実現したのは凄いことだろう。でも、この監督が、潤沢な資金を得ても、結局みなが共感できる映画を撮っていないのだから、この時、予算と有能な人材に囲まれても、これ以上の作品が撮れたとは思えない。
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