「『妹はつらいよ』と言いながら大阪でサクラは散る♥」近松物語 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
『妹はつらいよ』と言いながら大阪でサクラは散る♥
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初見かと思ったら、なんと二度目だった。
『不義密通』と疑われるもととなった伏見稲荷より先の渡船場で、宿屋に泊まる際に茂兵衛が女将さんに『おやすみなさい』と言うバックに流れる三味線の音色を聞いて、ある映画を思い出した。聞けば直ぐに分かる。つまり、あの映画はその効果を見事にパクった訳である。但し、全く逆の流れだが。
僕は原作をつくづく読んでいないが、この設定は『士農工商』の封建制度の話では無い。まさに田沼意次時代に発芽するジャパニーズキャピタリズムのデフォルメである。そして、それをより現代社会に置き換えて語っている。つまり、出鱈目であり原作とは全く違う。
浄瑠璃を観る限り、原作は男目線で、男女の情に主題が存在している。
従って、原作とこの映画は全く違う。原作を利用して現代の愚善者が翻弄される姿を描いた寓話と言える。
しかし、これを純愛とか身分の違いとか見て、後世の日本映画はあやまって、沢山の副産物を作ってしまっている。そして、それが今や主流だ。
琵琶湖(?)の場面はチャップリンの殺人狂をリスペクトしている。
そして、超元ネタは『品川心中』だネッ。間違いない。
『小沢栄太郎さんと進藤英太郎さんが主役だ』悪役で楽しもう。
追記 愚善者とは造語ではない。中国語である。
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