「一見さんお断り、といった感じ?」タンポポ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
一見さんお断り、といった感じ?
最初に見たのは地上波のテレビ放送だったか─。ガキんちょだった自分の印象は、なんてエッチでめちゃくちゃな話なんだ・・・あの虫歯の表現はリアルで嫌(虫歯だらけの自分にとってはつらくてあまりにリアルだったので─)・・・食材や料理などの表現も禁断的なものを感じて、いろんな欲望をくすぐられる要素が満載であるが故の引力は強烈ではあったけれど、素直に受け入れることができなかったという印象・・・。
時を経て、多少ものごとを知るようになってから再びビデオレンタルで見たはず。そこで改めて見た欲望の数々・・・特に役所さんのところなんて。いい・・・、としみじみ─。そしてそこに添え物のように展開する師弟関係のラーメン作り(─実際こっちがメインなんですが、エロには勝てません─)、最後もなかなか感動的だと実感できたのでしたー。
それから何度見たか分かりませんが、都度自分の中に染みてきて、もはやこれは邦画史上最高の作品なのではとの思いに至る。
トラック野郎的な面白さ、恣意的に絡み合う複数のストーリー、リストとかマーラー、若き日のケンさん(─渡辺のほうで─)、宮本信子・山﨑努はもちろんのこと味のある出演陣などなど、見どころ満載。笑いと感動、エロとか食とか欲望と五感(?)を刺激してくれる素晴らしいエンタメ映画だと思います。これだけ濃密に楽しませてくれる日本映画は、いまだ現れていないと思います。まぁ、他の作品は一度見て判断して捨て置いているだけなのかもしれませんが・・・少なくとも、何度も見たくなるような作品はこの作品以降、自分は知りません。
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