Wの悲劇のレビュー・感想・評価
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私、殺してしまった!お祖父様を刺し殺してしまった!
①余り好きな女優ではないが、この映画の三田佳子の存在感は半端ない。女の強さ、賢さ、ふてぶてしさ、狡さ、怖さ、愚かさ、悲しさ、哀れさを全て表して間然するところがない。感心した。②推理小説である原作を舞台劇として劇中劇にした脚色が巧い。しかも、その上、劇中劇の内容と現実のドラマの内容とをシンクロさせている構成も唸らせる。③ひろ子ちゃんは当時盛んに演技開眼したと言われていたが、そんなに急に芝居が巧くなった訳ではない(居酒屋のシーンとかはまだ生硬い)。しかし、記者会見で嘘の芝居をするところ、一人でカーテンコールに応えるところには一人前の女優になってきたなぁという感慨を覚えた。そして「これが俺たちの千秋楽か。」という世良公則の別れのセリフに、スカートを広げた礼のポーズをしつつ泣き笑いの表情を浮かべたところに『WOMAN』の歌が被さってくるラストシーンに泣きました。青春の思い出です。😭
その後の三田佳子の時代の幕開けとなった作品
話の概要は覚えていたのだけど、公開当時の自分は子供で、今回改めて見るまでこの作品の本当の価値と素晴らしさを分かっていなかったと思う。脚本も演出も良く出来ている。
薬師丸ひろ子は演技をしごかれて相当苦労したのだろうなというのが伺い知れる。そしてそれに応えて、女優として一皮も二皮も剥けている。
もう一つ、この映画の白眉は、三田佳子という女優の存在の認識にあると思う。
三田佳子って、それまでは芸能界での存在感が薄かったと思う。それが、彼女がこの映画で演じた「女優」で、私達はその演技力と存在感に圧倒され、魅了され、その後の三田佳子ブームに繋がったのだと思う。
女優
女優を夢見て、舞台に立つためなら何でもするという、スポットライトの影まで描くようなお話でした。私生活も演技。スキャンダルさえも踏み台のひとつ。今なら炎上商法ですね。
作品内の話である舞台裏や私生活と、舞台となる劇中劇が並行して進む辺りが良かったです。昭夫がかなり優しくて良い人でした。演じる必要のない相手にも、最後まで笑顔で演じきる所が静香の女優魂なのでしょうか。
何度試しても、天井に貼り付けた舞台ポスターに手が届かないシーンが隠喩的でした。
薬師丸ひろ子の観賞用ビデオ
ストーリーじたいは良かったのですが、 とにかく間延びした展開が うざかったです。 いたるところに [薬師丸ひろ子の観賞用ビデオ] のようなシーンが挿入され、 それが うっとおしかったです。 最初から [この映画は薬師丸ひろ子の観賞用です] と注意書きを入れてほしかったです。 30分の総集編にまとめたら、 それなりに楽しめたとは おもいます。
薬師丸ひろ子と言えば・・・
これ。
リアルタイムで見なかったのが惜しまれるが・・・・
主題歌は印象に残っており、当時のことが蘇る。
NHK連ドラの「あまちゃん」と対比すると感慨深いものがある。
殺傷沙汰があっさり成立するあたり、いかにも映画的だが・・・(警備員、何やってる?)、その前のカーテンコールのあたりなど、スクリーンで観ていたら、結構感動できたのではないかと。
薬師丸ひろ子、今も昔も美人とも可愛いとも思ったことはないが、ラストのシーンは良さげ。
バブルを感じた
映画好きの母が定期的に見返しているということで気になっていた。
ストーリーはただただスタンダードだし特に感動することもないのだが、雰囲気が何よりもいい映画だった。私がまだ産まれる前の母が働いていた時の時代の雰囲気を濃く感じた。服装、街、メイク、雑貨。
母が何回も見るのがよくわかった。
演技面で言えば、三田桂子の演技が周りよりも頭ひとつ抜けているのは明らかなのだが、よりも高木美穂の演技に目が釘付けであった。もっと見たいと思わせる演技であった。薬師丸ひろ子は女優として熟成前という感じ。
自分の中でバブル期の映画が時代遅れという立ち位置ではなく、クラシックという立ち位置に変わってきている。
意外に面白かった
薬師丸と世良の結構印象に残った台詞が多かった。最後、別れるとき、もう一人の自分の存在について、薬師丸は「厄介だけど付き合っていく」って言ったシーン、そして劇の終わりのシーンのように挨拶して画面がストップモーションになりエンドロール、感動しました。
名シーンばかり
前から薬師丸ひろ子の歌は知っていたのですが
あまちゃんでオマージュされていると聞き
映画も見ることにしました。
めっちゃ面白いです。
そして、名シーンばかり!
古い!と言われそうですがおすすめしたい作品です。
震えがくるほど面白い
公開時に見て以来で久しぶりに見返した。改めて入れ子構造のシナリオが素晴らしく面白かった。殺人と演技と、男と女、性愛、役者としての業のようなものが渾然一体に絡み合うとんでもない話だった。
三田佳子が薬師丸ひろ子に罪を着せるための誘導が悪魔的で火が出るような迫力だった。
世良公則は薬師丸ひろ子が、結局役者になることを諦めて、一緒に夢破れた者どうしとして恋愛することを夢見ていたのだろう。彼女は彼女で、彼を最初は下に見ていて、それでもぐいぐい来るとついセックスをしてしまうので、積極性は大事だなと思った。居酒屋の場面では、そんな心の変化を長回しワンカットで丁寧に描いていてすごく自然だった。
女優を目指す若者が苦い現実を味わってそれでもなお女優を目指すわけだが、そんな後悔や現実とのギャップ、苦い思いも含めてトータルパッケージで楽しそうと、羨ましく思ってしまう。
初めて見た時は童貞の高校生だったのに、とんでもなくすごいものを見てしまったという衝撃があった。男女の性愛なんかまったく意味が分かるわけでもないのに、それでも鬼気迫る迫力は伝わったのだろう。改めて見て震えがくるほど面白かった。
無敵❗️薬師丸ひろ子‼️
最強女優、薬師丸ひろ子魅力全開でした。
カーテンコールに応えるシーンは圧巻で、ラストシーンからエンドロールの静止画はいい女っぷりが溢れていました。
三田佳子は迫力満点で世良公則はいい味出してました。
傑作です。
女優誕生の裏側
総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
女優を目指すもなかなか芽の出ない若手劇団員の姿を公私にわたって追う。
演技に悩み、この道を行くべきかどうかを迷うのは、芸能界を志す者ならば誰でも感じることであろう。私生活においても成功しない自分に苛立ちあれこれ試してみるのも自然な姿。
それが突然の事件に巻き込まれて生活が急転し、それを重圧を感じて戸惑いながらもこなしていって少し安堵した途端にまた急転直下する展開がなかなかに面白かった。薬師丸ひろ子と三田佳子の新人・大物女優の対比と演技も見ごたえがあった。色んなことが重なって未来のわからないまま、それでも自分の道を自分で選んで、女優になる前に一瞬だけ交差した男と別れていく彼女がどうなるのか、不安と希望の余韻が残る最後もうまくまとめていた。
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