太陽を盗んだ男のレビュー・感想・評価
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この映画はプルトニウムさえあれば、それが作れると言う事実を提示して...
この映画はプルトニウムさえあれば、それが作れると言う事実を提示してしまった。
作り方は出鱈目でチープ過ぎるけど。
この映画は1979年に封切りで見たが、当時は大学2年。プラプラと映画ばかり見るノンポリティカルなク◯ガキだった。で、その頃は
・1974年 佐藤栄作総理大臣の非核三原則提唱によるノーベル平和賞
・1979年 スリーマイル島原発事故
の年。
・1980年 ポール・マッカートニーさん大麻所持で羽田にて逮捕
・1980年 ジョン・レノンさん暗殺
と言った時代。
この映画の中でやっている事は、今から見れば、タブーたが、日本は安全な国と思って疑わなかった。しかし、
チェルノブイリ事故は1986年
阪神・淡路大震災は1995年
地下鉄サリン事件は1995年
911同時多発テロは2001年
そして
東日本大震災が2011年
になる訳だ。
そしてそして、今年50年目にして日本が再びノーベル平和賞を取るに至った。
本当に本当に、何事もなければ良いと思う。
この類ストーリー展開は、ピンク色の映画とか成人映画にたくさんあった。
無責任に人の死を扱う。まぁ、キャッチーなストーリー展開たが、良い事は何も残らない。寧ろ、この映画を24歳の『松本◯津◯』は見ていたと思う。
当初、僕も見て、少しだけ心が動かされたのを記憶する。今日45年ぶりに見たが『ヘソが茶を沸かす様な話』だと思った。
追記 ちなみに太陽は核融合。
ちなみに核融合も核分裂と同 じくらい危険
沢田研二でなければ出来ない映画
途中の、髪の毛が抜けるあたりで見るのが辛くなって挫折。
アクションなどもあって当時は娯楽映画としても楽しめたのかもしれないが、今の自分にはちょっと見続けるのが怖く感じた。
途中までだが、沢田研二でなければ出来ない映画だと思った。
ひょうひょうとして何を考えているか分からない、明るいように見えたかと思えば影もあってちょっと闇も感じる。それが政治的な目的もなく、何となくプルトニウムを盗んでしまう主人公にぴったり。
原爆製造の場面はこんなんで良いのかと思ったけれど、映画、原子の力(1947)の映像の一部を観て似たような感じで驚いた。
実際に原爆製造に関わった科学者たちが、防護服も着ないで試験官にプルトニウムを入れて見せびらかしている映像。
この映画も含め、今ならちょっと考えられない。そんなところでも時代を感じた。
やっと見たけど
オールベストタイム的なもので常に上位の作品なので期待しながらもストーリー展開は想像できる範疇なので作業BGM的に鑑賞。
車の爆破とかアクションシーンとか煙草を噴かす場所が昭和だなぁ…と無駄な感傷が入り交じるのが一々邪魔。ノスタルジーに浸り悦に入るのはもう過ぎたと感じた。
作中の展開からのあのラストシーンはやや逃げな気がする。
と言っても映像にするのは至難の業になってしまうからしょうがないかもしれないが。
菅原文太は仁義作品イメージが強くそれだけで受け入れづらかったが、抑えた演技はとても良かった。でもあの高さからの落下はどう考えても両足骨折どころじゃないだろう。
しかし、あそこまで緻密且つ知識に富みながら被爆は避けられない事柄なのかが、化学に疎いものには解からない。
それとも初めから死ぬ覚悟だったのか。だとしたらその心理動向の描写は薄い。
結末はタイトルが
ラストシーンに関して、原爆が爆発したのかしていないのか推測されていますが、すべてはタイトルが物語っていると思います。
『太陽を盗んだ男』
そう彼は太陽を盗んだのです。つまり核の冬をもたらしたのです。
(プールのシーンは彼の空想だと思います。被爆の影響?)
余談
子供の頃にTVで放送されたのを少し見ていて(兄が熱中して見ていたのを少しだけ見た)、猫が死んだシーンがだけ強烈に印象に残っていて、彼がおかしくなって猫に食べさせたと思い込んでいたんですが、実際は猫が勝手に食べ、死んでしまったことに彼はとても悲しんでいましたね。
子供の頃の記憶って曖昧なものです。(ちなみに髪の毛がごっそり抜けるシーンも記憶に残っておりました)
ぎゃあ面白い
今までずっと見たかったんだけど、この時代の映画って見た事なかったから敬遠してたことに後悔した、、。
めちゃくちゃおもろくてあっという間の約2時間半。
最初のバスジャックも大事なシーンだったのねー!
大きな人質=相手側が言うことを聞いてくれる(ハッタリもあったが)っていうことを示してたのかなって思った
普段は教師やってて裏では原爆作ってるとかまーとんでもない二面性を持ってるわ
ネコちゃん死んじゃった事、、、残念😭
ちょいちょい笑えるようなシーンもあって、例えば王貞治やりました!に被せて城戸誠もやりました!って言ってるところとか、山下刑事の前に話してた田中刑事だったかな?の役柄とかクスッと来た!
ラスト、ゼロさんとか山下警部しんじゃって悲しみ!山下警部の執念が鬼気迫るものだった。
ガチラスト、原爆は爆発してしまったってことで良いのかな?あと、プールでいっぱい死なせちゃったやつも現実って事で??犯人も浮かんでる情景だったから現実かわかんなくなっちゃった
強烈な、伝説的カルトムービー
DVDで2回目の鑑賞。
なんと表現すれば良いのでしょう。この映画にはとてつもないパワーがある。人を惹きつけて止まない魅力がある。だからこそ公開後50年近い月日が経っても愛され続けている。
特にテーマやメッセージは無いように思いましたが、何かを訴え掛けるような凄みを感じました。強いて言うならば、安保闘争敗北後に訪れた虚無へのささやかな復讐でしょうか?
面白いエンターテインメントをつくってやろうと云う熱気が伝わって来ました。それは画のダイナミックさに表れていて、どのシーンも邦画のイメージを凌駕するスケールでした。
ストーリーからしてセンセーショナル。原発からプルトニウムを強奪して原爆をつくり政府を脅迫するも、要求内容が思い浮かばず、ナイター中継を最後まで放送しろだとか、挙げ句の果てにはラジオ番組でやりたいことを募集する大胆さ。
1970年代の社会に漂う空気感なのか、どことなくしらけているが故に、空前の犯罪者にも関わらず憎みきれない城戸誠の行動に、山下警部と同じく振り回されてしまいました。
当時だからこそつくり得た作品、と云うものがあると思います。本作もそのひとつだな、と…。「仁義なき戦い」シリーズと同じ匂いがします。本作のために行われた撮影は今じゃコンプライアンス的にアウトなものばかり。令和では撮れない。
伝説的な本作ですが、万人に知られているわけではなく、一部に熱狂的なファンを持つカルトムービーと云う位置づけ。公開時の興行成績は芳しいものではなかったとのこと。
コケた要因はよく分かりませんが、ただひとつ言えるのは、本作はこのままカルトムービーとして伝説的となることで、永遠に輝き続けるのではないか、と云うことだけです。
[余談]
あれ。この劇伴どこかで聴いたことあるな。なんて映画だったっけかな、それともドラマだっけか。一生懸命考えましたが思い出せず、ウィキペディアで調べたら一発でした。
なるほど、エヴァか…
※修正(2024/05/15)
往年の謎作
折しも「本物」が現れたようなので、前々から見ようと思っていた本作をやっと見ました。
何をしたいのかがわからない。というのがこの作品の主題の一つなのだが、この時代は本当に「幸せ」だったんだろうなあと感じた作品だった。幸せで満ち足りている時は、不満や要求は生まれない。だからこそ前時代に取り残されている冒頭の老人の存在が映える。
で、最終的にこの映画の印象として残るのは、「世代」だろうか。
役者に注目すると、沢田研二のだるさは当時のトレンドだったのだろうし(今なら即懲戒だけど)、菅原文太は格好良かったし、にゃんこは可愛かった。池上季実子はキャンキャンやかましかったが、当時の女優の声色は大概あんな感じだから仕方ない。
何か妙に「わかんねーな」と感じるのは、昭和の世界観で倫理観ぶっ飛び系の狂人を見るのに慣れていないのかもしれない。平成の狂人は狂ってるなりに何となく本人の中での論理や理屈が語られ(幼少期のトラウマとか)たり、本当に徹頭徹尾狂ってるのでそもそも論理が必要ないことが多いように思う。それは平成映画の親切さなのかもしれないが、それに対して、昭和後期の彼は、なまじきっかけたる事件があったことが一見答えに見えるのに、妙に難解にさせている気がする。強烈に「生き延びた」経験を得てしまって、日常に戻った時、生きている実感がなくなったのかなーと思われた節(ぎりぎりスクワットなど)はあったが、何故か妙に「本当にそれだけ?」という気持ちにさせられた。おそらく、「それで何で原爆? しかもプルトニウム?」という一番大事な繋がりが読めなかったからかと思う。
冒頭の老人に戻って、彼に注目した時、そこにはちゃんと感情や理由があって、感情移入を促すような仕掛けがあった。しかし「何がしたいのかわからない」系主人公には、自分はどうも共感できなかった。本当に狂人なら共感できないのも全く気にならないのだが、本作主人公は一応世間に溶け込んだふりをしている。そこに行動の一貫性がなくて、「何がしたいんだお前」「だからわかんねって言ってんだろ」「じゃあ徹頭徹尾狂ってろよ隠蔽工作とかしてんじゃねーよ」的な理屈の通らなさが気持ち悪いのかもしれない。
尾崎豊に今の人が共感できないのと似たものを感じる。「何がしたいのかわからない」「どこかへ行ってしまいたいのに行けない」からって何で窓ガラス割る? バイク盗む? 年齢や社会の閉塞感があることには共感や同情ができても、それを理由に他人に迷惑をかけるような作品には全く共感できない世代で育った自分にとって、そんな奴は狂人で、狂人とは仲良くできない。
「世代差」というものを描くのも一つの主題だったようだが、今見てもそれを考えさせられるということは、その点非常に上手く行っているのかもしれない。
歌うだけ、スクリーンの中だけ、当時もそうだったのかもしれないが…でも、じゃなかったらあんなに尾崎ヒットしたりしないよなあ…とも思うわけで。
一番心に残ったのは、「お前が殺して良いのはただひとり、お前自身だ」という台詞。厳しすぎるけど真っ当過ぎる正論で、この台詞のおかげで何か妙に安心できた。
猛毒爆弾
菅原文太さんが死去された頃に、日本映画専門チャンネルで特集で放映されたと思うが、沢田研二主演の『太陽を盗んだ男』。赤か黒かどちらかの線を切らなければ東京都心で原発が爆発する交換条件に5億円をビルの屋上からばらまけという犯人の指示を警察がしたところ、もしかしたらすぐに原爆が爆発するかも知れないにばらまけれた5億円に熱狂して拾い集めようとする群集のシーン。これは何か多くを表していたように思う。1979年にハリウッド級に荒唐無稽なアクション映画が製作されていたのだが、池上季実子はわざわざ精神を病んだ犯人に接近して怖くないところが、堂々たるフィクションである。以前海に突き落とされていたのに。それで敵か味方かわからない不可解な女をみせる。敵でもあり味方でもあったということなのか。カーチェイスの場面が哀愁ある音楽になる所なども気になる。犯人の心理を問うのも何か大きい所があるのかも知れないが、アクションとサスペンス映画としても、ハラハラする。東宝映画だが、角川映画の『野性の証明』のようなのも思い出した。だいたい、菅原文太はあんなに上空のヘリコプターから飛び降りたら現実なら即死なのだが、重傷を負いながらも迫っていった。沢田研二も原爆を作る過程で被ばくしていて、症状が出て来る。楽しく遊んでいる子どもたちのプールに犯人が放射性物質の破片というのか、それらを入れてしまい、公害で仰向けに浮いてしまった魚たちのようになるイメージが出てきて、犯人まで一緒に浮いているような場面があった。これはわかりにくい。大体、猛毒の放射性物質は茨城県の東海村から盗み出したのだった。なぜヘリコプターで追った所で逃げられて、ローリングストーンズが来日した場面に移れたのか現実ではないのだが現実的ではない。後に、菅原文太さんも沢田研二さんも反原発の姿勢を打ち出している。この映画の影響もあるのだろうか。この映画の長谷川という監督は、この作品以降映画監督をしていないという。被ばく二世だという。なにかしらそういう所に本音があるのか。菅原文太が最後にあんなに撃たれたのにどうしてまだ闘えたのかも現実では無いのだが。そして、最悪の結末を予感させて終えた。ネタバレだらけに書いてしまった。
ただ衝動だけがあった
長谷川和彦監督作。寡作な監督でこの映画以降撮っていない。狂気とコメディ、アクションが混在するいい意味で狂っている傑作。脚本はバイリンガルで日米両方で書いていたレナード・シュレーダー。音楽は井上バンドで主演は人気絶頂の沢田研二と東映の顔役菅原文太。
主人公城戸誠はバスジャック事件で山下警部の揺るぎない正義を目の当たりにし、自分というものを失ってしまった。空虚さを埋めるために誠は愛と狂気を込めて原子力爆弾の製造を進めていく。何がしたいかも分からず純粋に禁忌を犯していってしまう。作ることが目的であってその先には何もないのだ。何を考えているか分からない誠を沢田研二が熱演している。
アトムを歌いながら原爆を作り、猫の死を悲しむ。とことん純粋。狂人へと変貌していく誠は沢田研二が演じているだけあって美しいの一言。変わらない日常とのギャップが鮮烈でカメラワークも秀逸。キューブリックぽい画作りだったり、コメディありと全編飽きない。
音楽も秒針の音やガイガーカウンターの音が効果的に使われ緊張感が凄まじい。スコアもよくて当時の空気感が伝わってくる。
同士を求め続けたた哀しい男、何と戦うかも知らず何をしたいのかもわからないままだった。被爆し朽ちていく自らの身体とは対照的に衝動だけはあった。既にこの街は死んでいたのだ。何もない、ただ何もなかった。
素晴らしかった
猫しか友達がいないのに、その猫も死んでしまって可哀想だった。なんでそこまで孤独なのか、多分周囲の人間が全員バカだと思っていたのだろう。
一心不乱に原爆をDIYしている時が最も幸福そうだった。
以前にVHSで見た時は菅原文太の不死身ぶりが常軌を逸していると思ったのだが、改めてみたらこれはこれでありかなと思った。ヘリに捕まって現れて銃を乱射して落下するところは驚いた。
圧倒的なスケールで、これでもかとスクリーン全体が叫びをあげるような、言いたいことをすべてぶちまけたような映画で、これ以降長谷川監督が映画を撮れなくなってしまったことも仕方がないと思えた。スクリーンで見れてよかった。
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