太陽を盗んだ男のレビュー・感想・評価
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本作の語られない本当のテーマ
沢田研二は素晴らしい役者だ
松田優作にも負けない存在感を示している
画面に写っているだけでシーンが成立する
彼が本作に出演していることだけで本作の価値は十二分にある
日本映画にないスケール感がある
主人公の車を無数のパトカーが追う迫力あるシーンはブルースブラザーズより1年も早い
空撮の使用、首都高でのカーチェイス、渋谷東急百貨店本店のシーンも呆れる程に見事だ
皇居前広場でのロケはあり得ないものだ
東海村原子力施設の内部セットも日本映画の貧乏臭さはない
カメラの構図作りも素晴らしく美しいシーンが多い
明らかに国際的な水準を目指した娯楽アクション映画だ
ただ脚本は残念ながらそこまで行っていない
黒澤明監督作品の野良犬や天国と地獄と比較すれば雲泥の差だ
気の毒なくらいに大人と子供ぐらいの差がある
世代の力量の差は圧倒的だ
そこにはテーマ性はメッセージは見えないのだ
見えるのは熱い映画を作りたい迸るほどの情熱だけだ
だから観ての印象は確かに面白い
これ程のものを撮ったのか!という衝撃もある
しかし残念ながらカルト映画として残るしか道のない映画としか言い様がない
脚本に単にお話の展開だけを追求しない伝えるべきテーマとメッセージを持たせることができたなら、それこそ世界的な傑作になったはずと思える
お話の展開自体も撮りたい画がありそれに結びつける誘惑に負けているのだ
あまりにも強引で稚拙で国際的に一流を目指すのだという目線はない
そこが実に残念でならない
21世紀に生きる我々の目で本作を見返した時、
フクシマを経験した前と後では決定的に見え方が
全く異なって来るだろう
我々は放射線の脅威とプルトニウムの恐ろしさが、本作での放射線被曝の描写がいかに甘過ぎるのかを知っているのだ
吐き気がでる程に嘘だ
もちろん当時の知識レベルのことだろうが、それでも真剣にリサーチすれば嘘なことは当時でも分かっていたはずだ
嘘と分かっていながら物語を優先したのだとわかるのだ
フクシマ後の現代の後知恵でいえばまだある
被曝のことを目をつぶっても、あっという間に残留放射線の数値の追跡だけで足がつくのは明白なのだ
本作はシラケ世代のメッセージという声も聞く
しかし本当にそうか?
製作に関わった人々は皆団塊の世代だ
沢田研二も菅原文太もそうだ
シラケ世代と言えるのは池上季実子だけだ
彼女は実に美しく輝く様に撮れている
しかし彼女の行動も言動も団塊世代のものだ
むしろ本作は団塊世代の喪失のメッセージに見える
70年安保闘争に破れ無目的に虚無的に生きている
主人公の城戸の動機はそこにある様に思えるのだ
だから冒頭に皇居突入バスジャック事件があるのだ
本作の語られない本当のテーマは団塊=全共闘世代の核による天皇制や日本国家への報復にあると思えば全てストンと得心できるのだ
それを彼ら製作陣は無意識あるいは意識して求めていたのだ
そこをストレートに裏テーマとして脚本を構成し直していれば、名作になり得たかも知れない
しかしそれでは製作はできなかったことも確かだが……
ともあれ娯楽映画として大いに楽しめる
役者としての沢田研二を観る価値は高い
公開当時なら。。。
これは絶対映画館で観る、と固く心に誓った映画である。初公開時はまだ中学生で、いろいろな映画を観るという感じではなかった。何年か前に映画館で観るチャンスがあったのに見逃してしまった。
そして今日、やっと映画館で観ることができた。
1979年の作品。
できれば、もっと若いときに見ておけばよかった、と思わせられた。
城戸(沢田研二)の行動原理がまったくわからない。高校教師という職業は誰でもなれるものではない。教員免許がいるわけで、免許をとるということはその意志があるということで、ああいった犯罪に走るには仕事上の動機がいるのでは?
目的がないというのも当時としては受け入れられたかもしれないが、それにしてはリスクも高いし、労力もハンパではない。
長谷川和彦の演出はすごいのだが、本作の脚本はいかがなものか。
DJゼロ(池上季実子)はまったくいらないキャラクターであった。
公開当時に観ていたら違った感想になったかもしれないが、いま観ると、だいぶ残念な映画と言わざるをえない。
時代を切り取ったエネルギッシュな傑作
中学理科教師の城戸は無気力で適当な生活を送る反面、原子力発電所から盗んだプルトニウムを用いて、自宅で原子力爆弾を作るという過激な行動を取っていた。
丸の内警察捜査一課の山下警部率いる警察を相手取り、原子力の力を武器に政府を脅迫した男を描いた過激な作品。
バスジャックに政府脅迫、その上に原子力爆弾を持ち込んだ完全にアウトな内容の作品。
主人公の城戸誠にジュリーこと沢田研二、キレ者の警部役の山下に菅原文太などの昭和のスターを並べたキャストに加え、ド派手なカーアクションやヘリコプターにぶら下がりながらの射撃などツッコミどころ満載で迫力のある画も相まって大ヒット間違いなしの印象を受けたが当時の評価としてはそこまでだった様子。
公開から長い歳月をかけて再評価され神格化された様子はブレードランナー味を感じさせた。
ガムを噛みながら、抜けかけた髪を搔きむしり、虚ろな目つきで街を彷徨うジュリーとバックに響き渡る爆弾の時計の針の音がとても印象的で、ラストシーンがとてもカッコよかった。
エネルギッシュ!
シュール
太陽を盗んで…
70年代の東京の風景がふんだんに映されていて、その雰囲気と沢田研二...
ジュリー文太
こんな映画を今は作れないのかな〜
邦画至上最高のスケール感!!
ゴジよ、また映画を撮っておくれ
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