「時代を経て改めて今見ても、素晴らしい凄い映画であった。」太陽を盗んだ男 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
時代を経て改めて今見ても、素晴らしい凄い映画であった。
1979年製作/147分/日本、配給:東宝、劇場公開日:1979年10月6日
1979年公開時に見てその斬新さ、及び時代性描写に大感激した映画。
改めて見て、原発侵入の際の静止画像も使ったリズミカルな映像、派手なジャンプや上部完全破損も有るカーアクション、お札が屋上から舞い散る百貨店ロケ撮影、等、なお新鮮さが維持されていて、ビックリ。
原発完成までの熱狂、支えてないと倒れてしまう様に思える高層ビルの人工性、凄い力を得たものの政府に要求するものを何も有しない虚無、都会の中で孤独な男女の共感と共闘など、公開時感じた時代の気分を描いた作家性は、今見てもなお健在。
冷静に今見てみて、皇居前のバスジャック撮影、国会議事堂への女装沢田研二の進入、科学技術館屋上での菅原文太との対決、首都高でのカーアクション、日本橋東急等でのゲリラ的撮影、すごいエネルギーを感じさせられる。なお、助監督が相米慎二で、助手が大学生であった黒沢清であったことは今回初めて知った。
やる気のない高校教師ながら原発作成に成功し、丸の内警察署捜査一課警部役の菅原文太と対峙する沢田研二の演技も、ギョウギョウしくなく実に自然で、素晴らしい。埠頭でラジオDJ池上季実子にキスした後、海に放り投げる演出意図は良く分からないのだが、当時は満たされた恋愛関係への拒否感と感じた覚えがある。
最初や最後の音楽は印象的であったが、作曲井上堯之で編曲星勝とか、へーそうだったんだ。
この映画でファンになった長谷川和彦監督、毎年毎年、新しい監督作を期待していたのだが・・・。
監督長谷川和彦、原案レナード・シュレイダー、脚本レナード・シュレイダー、 長谷川和彦
製作山本又一朗、プロデューサー伊地智啓、撮影監督鈴木達夫、照明熊谷秀夫、録音紅谷愃一、美術横尾嘉良、編集鈴木晄、音楽プロデューサー多賀英典、音楽作曲井上堯之、音楽編曲星勝、選曲小野寺修、助監督相米慎二、高橋芳郎、助手(進行係)黒沢清。
主演
沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫、神山繁、佐藤慶、伊藤雄之助、風間杜夫、江角英明、汐路章、市川好朗、中平哲仟、石山雄大、森大河、小松方正、草薙幸二郎、西田敏行、水谷豊。